33032122 ガ・ジャルグ・獣刻・イーリス 完成を目指して
ある日、マスターは ガ・ジャルグを誘った
【ガ・ジャルグ】 どこに行くの?
ちょっと会わせたいって言うか、 見てもらいたいものがあって… とマスター
【ガ・ジャルグ】 会わせたい…?
【ガ・ジャルグ】 まさか…妹が見つかったの?
その問いには答えず、 とにかく付いてきて… とだけ言うマスター
【ガ・ジャルグ】 妹が…見つかった… いよいよ……勝負の時が…
彼女は内心、そう思っていた
道中、ガ・ジャルグに尋ねるマスター もし妹が向かってきたら、 本当に返り討ちにするの?…と
【ガ・ジャルグ】 当然
…と態度を崩さない彼女
そんな会話をしているうちに、 目的の場所に辿り着いた
【ガ・ジャルグ】 ここに…妹が…!
だが、いたのは彼女の妹ではなく、
【ガ・ジャルグ】 …え?
【ガ・ジャルグ】 おお…かみ…?
野生の狼の子供だった
【ガ・ジャルグ】 は?どういうこと? 意味わかんないんだけど?
偉そうに尋ねる彼女
しかしマスターは、 黙って見てて… としか言わない
【ガ・ジャルグ】 見てろって、なにを…?
2人の視線の先、 子狼は狩りを開始した
しかし未熟ゆえに、 狩りを成功させられない
【ガ・ジャルグ】 ………
熱い視線を送る彼女
【ガ・ジャルグ】 ……がんばって
奮闘する子狼を見ていて、 彼女が叫んだ
【ガ・ジャルグ】 がんばって!
――と、マスターが 彼女に語り掛ける
本当は、妹にも 同じ感情を持ってるんじゃない?と
【ガ・ジャルグ】 …え?どういうこと?
君が時折見せる不安と悲しみが 入り混じった目は、 妹を心配している目だった…と
【ガ・ジャルグ】 …!
【ガ・ジャルグ】 そう…そこまでわかってたの
【ガ・ジャルグ】 どうやら、あなたは… 慧眼の持ち主のようね
言い当てられた彼女は、 マスターに本心を打ち明け始める
【ガ・ジャルグ】 わたしは… 彼女の心を追い詰めてしまった…
【ガ・ジャルグ】 それが申し訳なくて、 ずっと避けていたけど、 わたしを探していると聞いて…
【ガ・ジャルグ】 ……救いたいと思った
【ガ・ジャルグ】 でも…本気で戦えば、 どちらかが死んでしまうことも あるかも知れない…
【ガ・ジャルグ】 妹をそんな目に 遭わせてしまうかもと 思うと…
【ガ・ジャルグ】 不安と…悲しみが… 心を締め付けるの……
悲痛な表情で語る彼女
しかしマスターは、 大丈夫じゃないかな? と、あっけらかんと言い放った
【ガ・ジャルグ】 なっ…!
【ガ・ジャルグ】 なによ、その言い方…! 他人事だと思って軽く……!
――と、その時、
【ガ・ジャルグ】 !!
遠くに敵軍を見つける彼女
【ガ・ジャルグ】 話は後…
そう言うと、 獲物を追う子狼に目をやり…
【ガ・ジャルグ】 あの子の邪魔は… 絶対にさせない!
敵を睨みつけ、 槍を取り出すのだった
Next: 33032123