340011203 アルテミス・獣刻・マスターテリオン 絶ち裂く暴威
アルテミスの後を追って、 森に入るマスター
森は深く、 敵に遭遇した場合は 他の姫は気づいてくれそうにない
彼女は明らかに消耗していた… 本当に大丈夫なのだろうか…?
更に森の奥深くに入るマスター… そこで、目にしたのは…!
【アルテミス】 ……くー…くー…
眠りに就いている アルテミスの姿だった
【アルテミス】 …!
マスターの気配に感づき、 慌てて目を覚ます彼女
【アルテミス】 あ…マ、マスター…!
【アルテミス】 み、見たのですね…!?
取り乱す彼女に だ、大丈夫…? と、尋ねると…、
【アルテミス】 は、はい…
敵にやられたの…? 心配するマスターに対して、
【アルテミス】 いや…あの…… ダ、ダイジョウブです… その…
【アルテミス】 寝ていた…だけですから…
彼女は観念した様子で 事情を話し始めた
【アルテミス】 その…黙っていましたが、 私は…
【アルテミス】 朝が…非常に弱いのです…
【アルテミス】 ですが、いつもルールだ、 秩序だと言ってる手前… 朝、寝坊するわけにもいかず…
【アルテミス】 だから毎朝、我慢して起きてるため、 その我慢が限界に達した時…
【アルテミス】 こうやって一人出歩くふりをして…
十分に睡眠を取った後、 隊に戻っていたのだった
【アルテミス】 …す、すみません
そんな彼女に対し、マスターは そんなことしなくても大丈夫だよ
少しくらい気を緩めても 他の姫達も咎めはしないよ と、優しく告げる
【アルテミス】 い、いえ…! 徹底してやらなければ いけないのです!
どうして? と尋ねるマスターに、
【アルテミス】 私がいたトレイセーマは、 公平主義を謳った国でしたが… 現状は違っていました
【アルテミス】 オーダーキラーズである私たちでも… 戦闘の“道具”としてしか 扱われなかったのですから…
【アルテミス】 道具は…管理しないと錆びるもの
【アルテミス】 だから、私は 徹底して秩序を守りたい…
【アルテミス】 例え、道具であっても… 真の秩序を作りたいから…
そう語る彼女に、マスターは返す
本当は…ここでも、いつかは道具に なっちゃうんじゃないかって… 怯えてたんだね…と
だから、みんなの前で あんな風に振る舞っていたのかと
【アルテミス】 !!
心の内を言い当てられ、驚く彼女
【アルテミス】 ……マスターの… 言う通りです
【アルテミス】 だって、私は… 結果を出していないと捨てられる… “道具”だと思っていますから…
そう言って、 暗い影を落とすアルテミス
そんな彼女にマスターは… ボクは“道具”だなんて思ってないよ
【アルテミス】 …マスター
さらに言葉を紡ぐマスター
例えばだけど 戦闘が他の姫より苦手でも、 団体行動が苦手でも…
料理が苦手でも、寂しがり屋でも… そして…朝が弱くても、 うちの隊は大歓迎だ!…と
【アルテミス】 その気持ちはありがたいです… でも…!それでは秩序が…!
訴えかける彼女に、マスターは言う 「心を殺さないと得られない、 そんな秩序ならボクはいらない」
【アルテミス】 !!
「誰かが言ってたんだ、 『自由は秩序を作り、強制は無秩序を 作る』って…」とマスター
【アルテミス】 …自由が…秩序を作る……
「だからボクは…朝が苦手で 起きられないキミも受け入れる」 マスターが微笑んだ
【アルテミス】 ………
【アルテミス】 …本当ですか?
【アルテミス】 ありがとう…
マスターの言葉に、涙ぐむ彼女
その心の変化が、 彼女に新たなスキルを与える
【アルテミス】 あなたのおかげで目覚めました 新たな力…『絶ち裂く暴威 -レイジング・ジャッジ-』です
【アルテミス】 とは言え… やはり秩序なき世界に 平和は生まれません
【アルテミス】 だから私は…マスターと共に、 創造したいと思います 自由と平和の世界を
そう言って、 マスターにかしずく彼女
しかし、当のマスターは 「ふふ、眠いのに無理しなくていいよ 今はおやすみ」
と、彼女の頭を撫でるのだった
【アルテミス】 な、なにをなさるのです! 馴れ馴れしく触るのは…
【アルテミス】 ル、ルール違反ですよッ!!
反論しながらも、 どこか嬉しそうな彼女
その目には、 マスターに対する 大きな信頼感が宿っていた
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