340031212 アポロン・聖鎖・ラドゥエリエル 蒼天に届きし天使の詩矢
旅の途中、とある街を 訪れたマスターとアポロン
そこではちょっとした もめ事が起きていた…
【アポロン】 ねえねえマスター聞いた?
【アポロン】 今、この街で英雄を称える でっかい塔を建てるって!
【アポロン】 ただ賛成する人も多いけど、 反対する人も多いみたいだね
【アポロン】 賛成してる人たちは英雄さんが この街のために頑張ってくれた から当然でしょ、って言うし
【アポロン】 反対してる人たちは昔ながらの 街の景観を壊すって言ってる…
【アポロン】 うぅ~ん?これって、 どっちが正しいのかなぁ?
街に貢献してくれた人の 記憶を忘れないよう 残すことは大切だろう
しかし古い街並みを 愛している住人たちの 想いも理解出来るが…
これはあくまで この街に住む人々の問題だ
【アポロン】 えぇ?ボクたちは 何もしないほうがいい?
【アポロン】 そんなあ! みんな困ってるのに!?
マスターは部外者である 自分たちが安易に関わることは あまりいいことではないと語る
【アポロン】 街の人たちの問題は 街の人たちが解決するべき?
【アポロン】 むむむぅ~! 難しいことわかんないよ!
【アポロン】 とにかくボク、 みんなの悩みを解決して みせるんだから!
【アポロン】 ボクに任せてよ! …♪…♪
マスターの制止を聞かず 歌で天使を産み出すアポロン
さっそく互いの言い分を 聞き出し解決しようと するのだが…
【アポロン】 建設予定の塔が大きすぎて 家が影になっちゃう?
【アポロン】 小さくすると バランスが悪くなっちゃう?
【アポロン】 工事の音が うるさくて大変?
【アポロン】 静かに作ろうとしたら 時間がかかり過ぎちゃう?
【アポロン】 う…うぅ~…
数時間後、街の人々の 話を聞き回ったアポロンは 憔悴した顔でベッドに倒れ込む
【アポロン】 どっちの人たちも 全然引こうとしないよぉ~
【アポロン】 みんな自分の意見を 変えるつもりはないみたい
マスターはアポロンのことを よく頑張ったと褒めてあげた
【アポロン】 えへへ…ありがと
【アポロン】 でもまだ、解決はしてないから
【アポロン】 もう少しだけ頑張らせて! ボク、出来る限りやってみたい!
そう語るアポロンが 心配ではあるものの…
マスターはアポロンを信じ、 もう少しだけ頑張らせて あげよう、と思うのだった
【アポロン】 お願い! ほんの少しだけでも 話を聞いて欲しいんだ!
【アポロン】 話し合えばきっと みんなが納得できるから!
【アポロン】 う…うぅ~…
【アポロン】 お願い…話を… はうぅぅ~…
やがて道ばたに へたり込むアポロン
どうやらさすがに アポロンと言えど限界が 来てしまったらしい
そんなアポロンを 見ているうちマスターは 何か出来ないかと考える
【アポロン】 マスター?
それからマスターは アポロンに代わり、 街の人々との交渉を始めた
そして…
【アポロン】 すごいよキミ!
【アポロン】 街の人たちを説得して、 お互いが納得いく ように出来るなんて!
少し時間はかかったものの、 賛成派も反対派も納得出来る 形で話を纏めたマスターであった
アポロンも 満足出来ただろうと 思っていたマスター
しかし、ふとしたときに アポロンがポツリとつぶやく
【アポロン】 結局、ボクひとりじゃ 何も解決させられない
【アポロン】 …キミに比べてボクは 見ていることしか出来なかった
そう落ち込むアポロン
それに対しマスターは、 そんなことはないと語る
【アポロン】 どういうこと?
街の人々はアポロンが 必死に皆を説得しようと 頑張っている様子を見ていた
それに心を動かされ、 お互いに歩み寄る姿勢を 示してくれたこと…
そしてマスター自身も、 アポロンの困っている 姿を放っておけなくなった
アポロンが頑張ったから ちゃんと解決することが 出来たのだと語る
【アポロン】 そ…そうかな? えへへ…
マスターに褒められ、 照れくさそうに笑う アポロン
マスターはアポロンが 人々の困りごとを解決 しようとするなら
アポロンの困りごとは 自分が解決すると告げる
【アポロン】 マスター…!
【アポロン】 そうだよね、ボクひとりじゃ 解決出来ないこともキミと 一緒なら出来る気がする…!
【アポロン】 ボクはひとりじゃない♪ いつだってマスターがいる!
【アポロン】 ねえ、マスター ボクこれかももっと みんなの役に立ちたい!
【アポロン】 そして何より… キミのために!
アポロンの決意が 『蒼天に届きし天使の詩矢』という 新たな力として宿ったのだった
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