340041212 エロース 愛の真実
「ちょっと… 話があるんだけどいいかな？」 といったマスターに…
彼女が連れ出された先は 近くの森だった。
【エロース】
も、もしかして…意中の人って
エロースのこと…？
キャッ♪
妙にそわそわしている彼女
【エロース】
マスターったら、
エロースにこくるつもり？
「あの…」 言いづらそうに口ごもるマスター
【エロース】
勇気を出して、マスター
その想いの全てを、
エロースにぶつけてちょうだい！
「愛…」 マスターの言葉に…
【エロース】
愛…！？
愛の告白なのね！
「愛って難しいよね」 マスターが頭を抱える
【エロース】
え？あれ…？
【エロース】
ち、違った…
「きっとさ、愛って… 与えられるものじゃないんだと思う」 とマスター
【エロース】
というか、エロース…
愛について語られてる？
【エロース】
教導する側のエロースに？
エロースはムキになって マスターに詰め寄る
【エロース】
それじゃあ、愛って
なんなんですかぁ？
「僕自身、まだわからないというか 答えが出てないというか…」 うまく説明できないマスター
そのとき、強烈な音が鳴り響いた
『ガツーーーン！』
音がした方向を見ると、 そこには…
【エロース】
あれって…鹿さん？
そこには、 野生の鹿が三頭立っていた
立派な角を持つ二頭と、 角の無い一頭
二頭は角をぶつけ合い、 戦っている
【エロース】
そっか、あの鹿さん…
自分の恋人を守るため、
戦ってるんですね
『ガツーーーン！』 その強烈な音に…
【エロース】
わ…痛そう…
その言葉に対し、マスターは…
「そうか…、愛って… 痛いものなんだ…」 そうつぶやいた
【エロース】
…え？痛い…？
角のぶつけ合いを見ながら、 マスターは彼女に語る
「愛って痛みが伴うもの、 戦って勝ち取るものじゃないかな」 …と
【エロース】
戦って…勝ち取る…
「愛は数じゃない…きっと 想いの強さや純粋さが重要だと思う」 言葉を紡ぐマスター
【エロース】
想いの強さ…純粋さ…
少し考えた後、彼女が口を開く
【エロース】
愛って…
【エロース】
誰かに無理強いされる
ものでもなければ、
与えられるものでもない…
【エロース】
お互いで育てていくもの…
そう仰りたいのですか？
上目遣いで尋ねる彼女に、 マスターは…
「そう言う僕も、本物の愛ってやつを まだ知らないんだけどね」 と、笑って答えるのだった
【エロース】
本物の…愛…
マスターの言葉を聞き、 想いを巡らせる彼女
【エロース】
エロースは…
【エロース】
ハルモニア教皇国にいた頃、
国にすべてを捧げ、従うことが、
真の愛への道だと信じていました…
【エロース】
だから国に反発する人々に対し、
自ら率先し
『導き』を行っていました…
【エロース】
だけど、マスターの言葉で…
【エロース】
今日、本当の愛に触れられました
【エロース】
“真なる愛”とは……
『ガツーーーン！！』
【エロース】
！
オス鹿同士の戦いに決着がついた
【エロース】
ふふ、恋人を…
守り切れたんですね♪
満身創痍のオス鹿 それに寄り添うメス鹿
その光景を見て、 エロースは想いを口にする
【エロース】
マスターの言う通り、愛って…
戦って…傷ついて
手に入れられるものなんですね
――と、そこに無数の足音が
【エロース】
！
見えると、兵士の姿があり マスターたちを包囲するように 展開がされていた
マスターとエロースは 急なことで動けず…
そんな中で動いたのは あのオス鹿だった
パートナーを守るように 兵士達の前に立ちはだかる
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