340051211 幻獣与一 信頼への渇望
マスターの元に、 新たな姫が入隊した
【与一】 え、えっと、 識別系統A(えー)・ ○三(まるさん)…
【与一】 与一です…
【与一】 マスターに信用して貰えるように、 心血を注ぎます!
その言葉通り、 とても努力家で、 いつも鍛錬に励んでいる
その内容は…
【与一】 はぁ…はぁ…はぁ…
【与一】 はあっ!
縄を斬ると、無数の石が 飛んでくる仕掛けを作り、 それを自分に向けて放つ
【与一】 ふん!
高速で飛んでくる石を、 矢で落としていく与一
だが…
【与一】 うぐっ!
捉え切れず、 いくつかの石を 自身の体に受ける
【与一】 ま…まだまだです!
彼女の鍛錬の内容は、 常軌を逸した過激なものだった
そこに訪れるマスター
【与一】 マ、マスター…
【与一】 いえ…大丈夫です
【与一】 これくらいで 音を上げているようじゃ、
【与一】 マスターの信頼に 応えられませんから
マスターは告げる その向上心は素晴らしいけど、 無茶はだめだよ…と
しかし、彼女は…
【与一】 …強くなりたい……
【与一】 でも、それは… 向上心からではありません…
と、答えるのだった
【与一】 では… 鍛錬の続きが ありますので
【与一】 はぁぁっ!!
実力も高く、戦闘でも 活躍しているのだが、 彼女の瞳はいつも影を落としていた
そして、戦闘のない休日
【与一】 え?ピクニック…ですか?
そ、休養とストレス解消を兼ねてさ、 みんなで行こうよ …と、彼女を誘うマスター
【与一】 よ、与一は……
【与一】 ………
【与一】 遠慮しておきます
【与一】 一日でも鍛錬を怠ってしまうと…
【与一】 強くなれない気がしますから…
【与一】 せっかくのお誘いなのに… 申し訳ございません
頭を下げ、断る与一
【与一】 ふぅ…ふぅ…
【与一】 もっと強くならないと…! このままだと、きっと与一は…
与一は思い詰めた表情のまま その後も、一人、鍛錬を積む
――と、そこに、
【与一】 !
【与一】 マ、マスター!
彼女の前に、 ひょっこり顔を出す マスター
【与一】 な、なぜ、ここに…! ピクニックは、 どうされたのですか…?
そう尋ねる彼女に、 マスターは…
【与一】 え?これは…?
彼女に差し出されたのはお弁当 一緒に食べようと彼女を誘う
【与一】 …!
【与一】 ……あ、ありがとう… ございます
【与一】 とても嬉しいです
彼女の瞳に光が戻って…
【与一】 でも、与一には… その資格はありません
…くることはなかった
【与一】 ………
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