340051212 幻獣与一 陰を照らす信頼の光
鍛錬を続けようとする与一に マスターが尋ねる なぜ、お弁当を食べる資格がないの?
【与一】 …そ…それは…
【与一】 与一は……弱いですから…
【与一】 マスターから 優しさをもらえる資格など ないのです
君は強いよ、戦闘でも 活躍してるじゃない? と、マスターが言うと…
【与一】 怖いのです… また…仲間を 裏切ってしまうことが…
彼女が、心の奥深くを語り出した
【与一】 与一は… 獣刻されている怪物 グライアイの影響からか…
【与一】 仲間を裏切ることに ずっと負い目がありました…
【与一】 マスターと出会うより以前…
【与一】 自分のせいで、 仲間を救えないことがあったのです
【与一】 それは…仲間の期待を 裏切ったということ…
【与一】 仲間を… 絶望させてしまったと いうこと…
【与一】 期待してくれる人の 気持ちに応えられない…
【与一】 あれほど辛く… 心が痛むことはありません…
【与一】 それからです… 与一が強さを 渇望するようになったのは…
【与一】 信頼に… 心を焦がすようになったのは…
【与一】 それに……
与一が暗い影を落とした
どうしたの…? と、尋ねるマスターに…
【与一】 強くなければ… いつかは……
【与一】 捨てられる…
【与一】 今度は自分が… 裏切られる………
暗い瞳を落とす彼女にマスターは、 大丈夫、与一を信頼しているよ と、告げた
【与一】 …!
【与一】 ほ、本当ですか…?
一瞬、嬉しそうな顔を見せる与一
だが、その瞳の奥は曇ったままだ
【与一】 言葉だけでは… なんとでも言えますから…
…との暗い思いが、 拭えなかったのだ
――と、そこに、
【与一】 !
【与一】 下がってください!!
突然、マスターを突き飛ばす彼女
間一髪だった 先ほどマスターがいた場所に 敵の投げた武器が突き刺さる
【与一】 しまった…囲まれた…!
彼女の言葉通り、 二人の周囲を覆うような 敵の大群が出現
【与一】 お任せください、マスター! 与一が必ず… 必ず守りきってみせます!!
【与一】 はぁぁぁぁっ!!
己を奮い立たせ、 敵陣に斬り込んでいく彼女
【与一】 くっ!
【与一】 かはっ!!
しかし、その数の多さに 徐々に苦戦を 強いられていくのだった…
【与一】 はぁ…はぁ…! もう… 裏切りたくない…!!
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