340051213 幻獣与一 蛇頭の暗穹
【与一】 はぁ!はぁ!はぁ!
傷だらけになりながらも、 なんとか敵を倒していく与一
【与一】 あと…一人…!
【与一】 かはっ…!
だが、 最後の一人を前に力尽き、 膝をついてしまう
【与一】 ふぅ…!ふぅ…! 絶対に…諦めません!!
なんとか照準を定め、 弓を構える彼女
【与一】 …うぅ…
しかし疲労とダメージで、 視界も霞んでゆき…
【与一】 ぜ…絶対に… マスターの期待に…
ふらつく彼女に、 敵がとどめの一撃を くらわそうとした、その時…!
【与一】 なっ…!!
驚愕する彼女
【与一】 マ、マスター!!
なんとマスターが、 敵を後ろから羽交い絞めに していたのだ
【与一】 いけません! 今すぐ離れてくだ…
隙間を見つけて、敵を射抜くんだ!! とマスターが彼女に叫ぶ
【与一】 …!
【与一】 な、なぜ… そんな危険な真似をしてまで…
与一なら敵だけを 射抜けると信じてるから!! 叫ぶマスター
【与一】 !!
【与一】 与一を……
マスターの行動、それは、 与一に対する絶大なる信頼の心から ゆえに危険な作戦に出られた
【与一】 そこまで…与一のことを…!
【与一】 口先だけではなく… 心の底から… 与一を信頼して…
そう魂で感じることは出来た瞬間、
【与一】 ぬあぁぁぁぁぁぁっ!!
与一の奥底に眠る力が解放された!
【与一】 マスターの期待… 絶対に裏切りません!!
【与一】 くらえ!! 『蛇頭の暗穹』―――ッ!!
新たなるスキルで敵を葬る彼女
【与一】 マスターの信頼が…与一に 勝利をもたらせてくれました!
戦いは終わった
その夜、 マスターに 己の思いを語る与一
【与一】 ずっと…
【与一】 弱い自分が嫌いでした
【与一】 弱さは、 仲間の期待を裏切ります…
【与一】 与一は… 誰も裏切りたくないし… 裏切られたくなかった
【与一】 傷つくのが…怖かったのです
【与一】 だから、必死に鍛錬に励みました
【与一】 …というのは名目で、 本当はみんなと 一歩距離を置いていました
【与一】 傷つくのが…怖かったから
【与一】 でもマスターは、 与一のそんな弱い部分に向き合い、 受け止めてくれた…
【与一】 マスターなら……信頼できます この身を預けてもいいと思えます
【与一】 こんな与一でも良ければ…
マスターを見つめる彼女
マスターは応える 君にしかできないことが たくさんある
それに、君にしかない 良いところもたくさんあると思うよ …と
【与一】 …!
【与一】 本当ですか!?
彼女が笑った
その瞳に、もう陰りはない
それどころか、 彼女の心を映すかのように、 キラキラした光を湛え始めていた
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