340051214 幻獣与一 獣血『三姉妹の献身』
数日後――
戦闘のない休日
マスターはまた、 隊のみんなを連れ、 ピクニックに出掛けた
そこに与一の姿は…
あった
【与一】
みなさん！
あそこ、すごく
景色が綺麗ですよ！
みんなと楽しそうにしている与一
【与一】
ありがとうございます、マスター
与一も誘って下さって
【与一】
本当は…
ずっと一緒に
行きたかったんです
【与一】
でも怖くて、
一歩が踏み出せなかった…
【与一】
それがマスターのおかげで…
【与一】
与一も連れて行ってください、
…と、勇気を出して言えました
その日の夜―― 景色のいい場所に座り、 彼女がマスターに語る
【与一】
マスターは…与一のことを
たくさん褒めてくれました
【与一】
努力家なところ、
本当は思いやりが深いところ、
【与一】
親身になって、
人のことを考えられるところ
色々、褒めて下さいました
【与一】
マスターといると…
こんな与一でも、
自信を持つことが出来ます
【与一】
そしたら…仲間に
優しくすることが出来ました
【与一】
みんなも、今まで以上に
与一に優しくしてくれました
【与一】
そうやって…
みんなから力をもらえました！！
嬉しそうに語る彼女
今まで恐れ目を背けていた“信頼”…
その心を得たことで、彼女は 新たなるスキル 獣血『三姉妹の献身』に目覚めていた
【与一】
思うんです…
マスターと出会うまでは、
心がピンと張り詰めていたんだなと
【与一】
そう…
まるで切れる直前の
弓の弦のように……
【与一】
でもマスターといると…
穏やかな気持ちになれます、
自然体でいられます
【与一】
ずっとそばにいて…
お守りしたいと思うのです
【与一】
信じてください
これからも…
絶対に守り抜きます
【与一】
決して…期待は裏切りません
【与一】
だ、だからと
いうわけではないのですが…
なに？と尋ねるマスター
【与一】
す…少しだけ…
【与一】
甘えてもいいですか…？
頬を赤く染め、 マスターの隣に寝転がる与一
自然体でいられるようになった 彼女には、実は 甘えん坊な一面があったようだ
【与一】
ふふ、とても…
【与一】
心地いいです
その瞳は、 喜びという名の光で 満ちていた
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