340081201 オティヌス・D. plug・オセ 奥底で踊るもの
【オティヌス】
あたしが“惑わす”のは…
【オティヌス】
“欺く”のは…
【オティヌス】
“騙す”のは…
【オティヌス】
楽しいから
【オティヌス】
それだけだと思ってる…？
【オティヌス】
あたしが“惑わす”のは…
これはオティヌスが マスターに出会う以前の話…
悪魔の力を取り入れた人々が暮らす国 ─ケイオスリオン帝国─
【？？】 オ前ガ、我ヲ、喚(よ)ンダ 愚カ者ダナ…
【男A】 ひぃぃぃっ！
突如現れた言葉を話す豹に驚き、 逃げてゆくイミテーション達
【オティヌス】
んふふっ
【オティヌス】
なんてね
また騙された
【オティヌス】
オセの力はやはりいいなぁ～
豹の正体は、 能力を使った オティヌスだった
彼女がドミネイトされたのは 悪魔・オセ 幻惑と変身の化身である
【オティヌス】
さぁて、次はなにをしようかな
そして…
【男B】 うわぁぁっ！
【オティヌス】
んふふふっ
【男C】 ひぃぃぃっ！
相手を猫の姿に変えたり、 手品と偽りカードで相手を騙したり
【オティヌス】
あ～
やはり騙された瞬間の表情は
たまらないね
愉悦の表情を浮かべる彼女
【オティヌス】
…気を付けなよ？
オセに騙された者の末路は、
狂い果てて…
【オティヌス】
死んでしまうものだから
他人を騙すことで、 彼女は己の欲求を満たしていた
【？？？】 …………
そんな彼女をじっと観察している 一人の斬ル姫
【パラケルスス】
…………
パラケルスス… 悪魔・バフォメットを ドミネイトされし者
【オティヌス】
あ～、スッキリした！
次は誰を…
【オティヌス】
…！
【パラケルスス】
随分と楽しそうだな
【オティヌス】
…パラケルスス
【オティヌス】
こいつ…
いつの間に後ろに
【オティヌス】
なにか用かい？
【パラケルスス】
ふふ、君の幻術は実に興味深い
わたくしの研究対象に
なってもらえないかと思ってね
【オティヌス】
…研究対象？
【パラケルスス】
そうだ、
なぜ君はそんなにも
人を惑わせるのか…？
【パラケルスス】
ただ下卑た享楽のためだけじゃ
ない気がしてね…
【パラケルスス】
その心の底にある真理…
君の“深淵”が見たい
【オティヌス】
…………
【オティヌス】
さすが研究熱心な学者は
どんなことにも興味を持つんだね
【オティヌス】
でも、難しく考え過ぎさ
あたしはただ楽しくて
やっているんだから
【パラケルスス】
…本当かなぁ？
きみを見ていると、
そんな風には見えないけどね
【オティヌス】
だって、これ…
見てごらんよ
【パラケルスス】
…え？
指先を見せるオティヌス 次の瞬間…
『ボン！』
【パラケルスス】
っ！！
指先から煙が上がり、 その後、 奇麗な花を出すオティヌス
【オティヌス】
ふふふっ
人の驚く顔が見たいだけさ
【パラケルスス】
くっ…ぬぅ…！
【オティヌス】
ふふふ…
あなたにあたしの底が見えるかな？
【オティヌス】
見れば見るほど、底が見えない…
“深淵”とは、そういうものだよ
…と、彼女は にやりと口元に笑みを浮かべて 去っていった
【パラケルスス】
このわたくしを欺くとは…！
なんという強力な幻術…！
しかし…
【パラケルスス】
ますます興味深い！
そんなある日、事件が起こった
【オティヌス】
今…
なんとおっしゃいました？
【魔人】 言ったとおりだ もうイミテーションを騙してはならぬ
【オティヌス】
…ど、どうしてです？
【魔人】 我が奴隷であるイミテーションを、 貴様が騙しているのが気に入らぬ
【魔人】 貴様もイミテーションと同じく 我が“所有物”… これ以上の増長は許さぬ
そうオティヌスに忠告し、 魔人は去っていった
【オティヌス】
…………
【オティヌス】
…ふ～ん
【オティヌス】
所有物…ね
【オティヌス】
あたしも同じ…
“奴隷”ということか
分かりきっていたけどね
その瞳の底はどす黒く濁り、 まるで底が見えなかった
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