Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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350051211 ヴァジュラ・獣刻・ラクシュミー 豪運の弾丸

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マスターの隊に、 また一癖ある姫が入ってきた

3500511.png 【ヴァジュラ】 あたしはヴァジュラ・ 獣刻(プラント)・ラクシュミー

3500511.png 【ヴァジュラ】 キミの望みは何でも叶うよ

3500511.png 【ヴァジュラ】 だって、あたしは あらゆる困難をこの豪運で 跪かせる女だからなっ!

と、豪語する彼女

その言葉は伊達ではなく…

3500511.png 【ヴァジュラ】 えっ!?朝の料理当番って じゃんけんで決めてるんだ?

3500511.png 【ヴァジュラ】 本当にそれでいいのか? あたしの運なら、これから先、 料理当番が回ってこないと思うけど

その後、実際に彼女が 料理当番をしている姿を 見た者はいない

また、外に買い出しに行った時も…

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3500511.png 【ヴァジュラ】 えっ!?当たりつきのお菓子?

何度も当たりを引き当て、 店主の親父を泣かせたり

また、喫茶店に入った時も…

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3500511.png 【ヴァジュラ】 えっ!くれるのか!?

開店以来一万人目の客として、 豪華プレゼントをもらえたり…

3500511.png 【ヴァジュラ】 ははは、ラッキー♪ ありがとうな!!

とにかく彼女の豪運は、 とどまる事を知らない

それは、 戦闘の場面でも いかんなく発揮され…

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3500511.png 【ヴァジュラ】 大丈夫、大丈夫! あたしがいれば なんとかなるって!!

3500511.png 【ヴァジュラ】 いくぞっ!!

絶対に勝てないであろう 大軍との戦いの中でも、 一人明るい彼女

誰もが諦めムードの中、 突然の大雨が振り出し……

視界を遮られた敵軍は総崩れになり、 マスターの隊は見事、 勝利を収めるのだった

3500511.png 【ヴァジュラ】 なっ?言った通りだろ? あたしは 豪運の女神なんだから♪

と、陽気に舞を踊る彼女 その姿は、みんなを魅了した

そんな彼女に、 ある日、小さな出来事が起こった

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3500511.png 【ヴァジュラ】 また大軍が?

3500511.png 【ヴァジュラ】 敵も懲りないな、 このヴァジュラ様がいれば……

…が、敵兵の数を見て、 唸り声を上げる

3500511.png 【ヴァジュラ】 ………う~ん

マスターが攻め込む采配を しようとした時、

3500511.png 【ヴァジュラ】 諦めた方がいいんじゃない? 挑戦するだけ無駄だよ

3500511.png 【ヴァジュラ】 ま、諦めても、 撤退して生き残れば なんとかなるでしょ

そう言ってのけたのだ

彼女のその一言から、 隊内では攻めるか撤退かで、 議論になる

だが、その間に 敵軍が退却したことで、 その場は収まったのだった

3500511.png 【ヴァジュラ】 ま、これも一つの運ってことで 戦わず敵を追い返せたんだから、 ついてるな

笑顔を見せるヴァジュラ

しかし、その 運が全てで姫達の実力なんて 関係ない…

そんな考えが原因で、 彼女は次第に、 隊の中で孤立し始めるのだった

数日後――

3500511.png 【ヴァジュラ】 …あれ?

森の中、 ヴァジュラは一人で特訓を積む 銃の使い手の姫を見掛ける

3500511.png 【ヴァジュラ】 ………

一生懸命、練習に励んでいる姫

3500511.png 【ヴァジュラ】 なんか…似てるな

そんな姫を見て、 ヴァジュラはマスターのことを 思い出す

3500511.png 【ヴァジュラ】 あの子もマスターも… なんであんなに頑張るんだろ?

どんな困難も 運で乗り切れてしまう彼女には、

人が頑張る意味が 理解できないのだった

そんな、ある日―――

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戦闘続きだった姫達を 街に連れてきたマスター

みんな、思い思いの 休暇を楽しんでいる

しかし、ヴァジュラは…

3500511.png 【ヴァジュラ】 ん~、一人でいると暇だなぁ… ちょっと他の子に 声を掛けてみようか

3500511.png 【ヴァジュラ】 どこかにグッとくる子は いないかなぁ…

なんて言っていると…

3500511.png 【ヴァジュラ】 え?なに? お兄さん、客引き? あたしはノーサンキューで

美しく、明るい雰囲気から、 色々と声を掛けられるが 興味を示さない彼女

――と、 また声を掛けてくる男が

3500511.png 【ヴァジュラ】 しつこいな~ いい加減に……

3500511.png 【ヴァジュラ】 あれ?マスター? なにやってんの

…が、それは マスターだった

マスターは、 ヴァジュラと話がしたいと 思っていたらしい

ベンチに座り、 彼女に気になっていたことを 尋ねるマスター

どうして挑戦することが 無駄だと思うの? 彼女は答える

3500511.png 【ヴァジュラ】 そうだな~

3500511.png 【ヴァジュラ】 あたしは豪運で、 ここまでやってきた

3500511.png 【ヴァジュラ】 努力とかしなくても、 なにもかも上手くいくし

3500511.png 【ヴァジュラ】 そんなあたしが思うにさ…

3500511.png 【ヴァジュラ】 運で乗り越えられないことってのは、 自分のキャパを超えたこと

3500511.png 【ヴァジュラ】 そう理解する方が効率的じゃない?

そんな彼女に、マスターが でもね―― と言いかけた時…

3500511.png 【ヴァジュラ】 …!

姫達から、ある報告が入った

3500511.png 【ヴァジュラ】 …落とし物?

一人の姫が、 街中で何かを紛失したらしい

3500511.png 【ヴァジュラ】 行くか、マスター

現場に向かう2人

3500511.png 【ヴァジュラ】 あっ、あの子は…

落とし物をしたというのは、 ヴァジュラが見かけた 一人で特訓を積んでいた姫だった

3500511.png 【ヴァジュラ】 なにを落としたんだい?

彼女の落とし物というのは…

3500511.png 【ヴァジュラ】 ……弾丸?

それは彼女にとって、 とても大切なものらしい

3500511.png 【ヴァジュラ】 いや、この広い街ん中で、 ちっちゃな弾丸を 探し出すなんて――

彼女がそう言った時…、

探そう! マスターが声をあげたのだった

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