350051212 ヴァジュラ・獣刻・ラクシュミー 挑む先にあるものは？
街中を捜索するマスターの隊
仲間が失くした一発の弾丸を、 みんな一生懸命探している
しかし、ヴァジュラは…
【ヴァジュラ】
いやいや…さすがにこれは
あたしの豪運でも…
…と、内心、諦めている
【ヴァジュラ】
ねぇ、キミ
彼女は、 弾丸をなくした姫に声を掛ける
【ヴァジュラ】
あたしの弾丸、一つあげるよ
【ヴァジュラ】
あたしが持ってるものだからな、
超ラッキーアイテムだぞ
【ヴァジュラ】
これあげるから、
なくした弾丸は諦めてさ
また新しい気持ちで…
だが、姫は言う なくした弾丸は、 自分にとってとても大切なもの
【ヴァジュラ】
初めて敵を倒した時の弾丸…？
努力に努力を重ねた思い出の品 いわば『努力の結晶』
あれを見ると自分はやれるんだ、 と思える、自信が持てる そう熱弁する姫
【ヴァジュラ】
そんな大事なもの、
なんで落としちゃったんだい？
どうやら弾丸を入れていた 洋服のポケットに、 穴が開いていたらしい
【ヴァジュラ】
う～ん…
そんなことある……？
豪運のヴァジュラは、 彼女の運の悪さが理解できないようだ
そして、日は沈みかけ、 そろそろ夜に差しかかるが――
【ヴァジュラ】
みんな……
いまだ懸命に探している マスターや姫達
【ヴァジュラ】
ねぇ、マスター
聞いていい？
【ヴァジュラ】
なんで、ここまで頑張るんだ？
【ヴァジュラ】
いくら努力しても、
無理なことは無――
そんな彼女の言葉を マスターが遮る
努力する楽しさを知ってるからね それにどうしても見つけてあげたいし
【ヴァジュラ】
どういうこと？
マスターは答える
努力して、達成した時の喜びは、 運で上手くいった時の数倍 嬉しいから…と
そして、その喜びは… 仲間がいれば、また数倍になるんだ
だから、みんなで 見つけてあげたい …と
【ヴァジュラ】
………
そう言ってのけ、 探し続けるマスター達
【ヴァジュラ】
運よりも…嬉しい……か
【ヴァジュラ】
わかった
【ヴァジュラ】
だったら…
あたしも手伝うよ
マスターの言葉に 興味を持った彼女も、 みんなに合流するのだった
【ヴァジュラ】
でも…もうすぐ夜だ……
日も沈み、これ以上、 探すのは無理か……
そう、思われた矢先―――
【ヴァジュラ】
……ん？
【ヴァジュラ】
あっ！あったぁぁぁっ！！
なんと弾丸を発見したのは ヴァジュラだった
やっぱり、あなたは 豪運の女神様です！ と、ヴァジュラに泣いて感謝する姫
【ヴァジュラ】
そんな、大袈裟だって♪
でも、ま……
【ヴァジュラ】
よかったね♪
その帰り道、マスターは ヴァジュラにお礼を言う
偉そうに言ったけど、 結局きみの豪運に助けられたね、と
【ヴァジュラ】
ううん、そうじゃないよ
【ヴァジュラ】
あたし、最初は
絶対無理だと思ってた
【ヴァジュラ】
でもマスターの言葉と、
みんなの頑張る姿を見てさ…
【ヴァジュラ】
なんか…
やってみようと思ったんだ
【ヴァジュラ】
運だけで探し当てたわけじゃない
【ヴァジュラ】
諦めて、なにもしなければ
可能性は０だったけど…
【ヴァジュラ】
“やってみよう！”
挑戦してみようと思ったから、
運が転がり込んできたんだ
【ヴァジュラ】
そう導いてくれたのは
マスター…
キミだよ
【ヴァジュラ】
努力して、
仲間と協力する喜び
【ヴァジュラ】
教えてくれて、ありがとな！
【ヴァジュラ】
そんなキミのため…
これからは運だけじゃなく、
【ヴァジュラ】
努力して、本気で頑張るよ
晴れやかな笑顔を見せるヴァジュラ
その瞳は、 新たな可能性を見据え、 光り輝いているようだった
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