350061213 メギド・獣刻・バロール 獣血『抗えざる死の運命』

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あれから数日後――

【メギド】 ……

相変わらず、 メギドは隊の誰とも関わらずに 過ごしている

――と、そこへ

やぁ、元気？ と、額に絆創膏を貼った マスターが現れた

【メギド】 ……マスター

気に掛けてくれるマスターに、 彼女は素直に思いを打ち明ける

【メギド】 礼を……言わせてください

【メギド】 私を救いたいと 言ってくれたのは…… 嬉しかった

【メギド】 魔眼で覗いてみても、 貴方のあの時の言葉は……

【メギド】 嘘偽りのない、 とても清らかなものでした

【メギド】 そんな貴方から出た 『仲間の元に戻ろう』という言葉

【メギド】 ……嬉しかった

【メギド】 ありがとう

【メギド】 私なんかに対して、 そう言ってくれるのなら、と……

【メギド】 そう思って、 みんなとの壁を取り払おうと決意した

【メギド】 でも…… そこでも見えてしまったんです

【メギド】 姫達の“穢れ”が……

……穢れ？ マスターが尋ねる

【メギド】 それは……私を恐れる心

【メギド】 そして、私もまた…… “受け入れて貰えるだろうか”と 恐れてしまった……

【メギド】 心に“穢れ”を生んでしまった……

【メギド】 私はまだまだ…… “恐れ”を拭い去ることは 出来ないようです……

――と、 俯きながら話す彼女の手を引き、 マスターが歩き出す

【メギド】 な、なにを……？

はじめは誰でも怖い でも、だからこそ…… 一歩踏み出す勇気が大事なんだ

と、マスター

【メギド】 で、でも……私は……

言ったろ？君を救いたい

君がいつか心穏やかに 過ごせる日が来ることを 願っている、と

【メギド】 ……

その言葉を聞いた彼女は、 マスターの手を振り払い、 自らの足で歩き出した

姫達の元に向けて

【メギド】 ありがとう…… もう大丈夫ですから

その姿を見て、微笑むマスター

そしてメギドは言う

【メギド】 まったく……驚きです

【メギド】 貴方が見ている世界は、 どんな風なのでしょうか

【メギド】 私とは違って、 穢れなど見えないでしょうね…

【メギド】 いつか… 私も貴方が見ている世界を 見られるでしょうか

そう尋ねる彼女の瞳は、 今までにない優しさを宿していた

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