350071214 ブリューナク 魔眼『秘史の伝授』
【ブリューナク】
昨日はすまなかった、マスター
地図のことで隊の予定を
狂わせてしまうとは…
ちゃんと目的は達成できたし 問題ない、と返すマスター
【ブリューナク】
そう言ってくれるとありがたい
【ブリューナク】
だが、寄り道も旅の醍醐味…
マスターならその意味を
わかってくれるだろう？
もちろん、とマスター すっかりブリューナクは 打ち解けてくれたようだ
ブリューナク自身にも 変化があったのか、隊の斬ル姫とも 会話をするようになったらしい
【ブリューナク】
斬ル姫自身の歴史と
マスターとの関係という歴史
【ブリューナク】
この隊は興味深い歴史で溢れている
これを独り占めしていたとは…
マスターも中々欲深いな
冗談を言うブリューナク それは以前では考えられない ことだった
【ブリューナク】
我は我に課したマスターを守る
という任にとらわれ過ぎていた
【ブリューナク】
旅を楽しまぬ者に
ロマンは顔を見せてくれないのにな
【ブリューナク】
今ではマスターも斬ル姫たちも
ともにロマンを追い求める仲間だ
ブリューナクのロマンという 言葉にひっかかりを覚えるマスター
そういえば、新たに手に入れた 地図の場所には行かなくていいのか とマスターは問う
【ブリューナク】
ああ、あの地図か…
あれは…ふむ
【ブリューナク】
あれからさらに精査を行ったのだが
ブリューナクの目に適う宝が
あるようには思えないのだ
【ブリューナク】
いくら旅路がロマンに満ちようが
目的である宝が、誰かのいたずらだ…
という話ではさすがに締まらない
【ブリューナク】
あの時感じた胸の高鳴りは
間違いではないと思うのだが…
【ブリューナク】
あれはきっとマスターとの
関係を深められたことへの
気分の高揚だったのだろう
心を許したブリューナクは 気恥ずかしい言葉もさらりと 言ってのける
【ブリューナク】
だから、我らはまた
新しい旅の行き先を見つければいい
残念そうに告げるブリューナク それを見てマスターは やはり行くべきだと話す
【ブリューナク】
しかしマスター…いや、そうだな
予測だけで判断してしまうのは
あまりに愚かだろう
【ブリューナク】
マスターが信じてくれたように
このブリューナクもマスターを
信じて行動するべきだな
【ブリューナク】
よし、行こう
直に日も暮れる…
我の側を離れないでくれ
【ブリューナク】
地図の印の場所への旅路は 以前のものと違い とてもあっさりとしたものだった
【ブリューナク】
…やはり、何もない
あの地図はいたずらだった
【ブリューナク】
いたずらという名の誰かが見た夢
それを追うのもまたロマン、か…
すっかりと日が暮れてしまった中 ブリューナクは仕方ないと笑う
だが、そのとき マスターの目に映ったのは…
【ブリューナク】
むっ、何か見つけたのかマスター！
このブリューナクにも
見つけられなかった宝を…
【ブリューナク】
…何もないじゃないか、マスター
不満そうに首をかしげる ブリューナクに向けてマスターは 宝物を見つけたよ、と告げる
【ブリューナク】
慰めはよしてくれ
だって、ここには何も…
諦めた顔でマスターの目線の先を 見ていたブリューナクが顔色を変える
【ブリューナク】
…はは、これはきっと
あの兵士たちでは
見つけられなかっただろう
【ブリューナク】
そして、ブリューナクひとりでも
見つけることができなかったはずだ
ブリューナクとマスターが 見つめる先には満天の星空
【ブリューナク】
この地図を書いた者は
この景色を宝と呼んだのだな…
物としての宝はなかった けれどこの世界は宝物であふれてる とマスター
【ブリューナク】
ふっ…そのようだ
形のない宝…それを知ることが
できたのはマスターのおかげだ
ブリューナクだって 本当は知っていたはずだ、とマスター
ロマンという形のないものを 追い求められるブリューナクは 真の探求者だと思うとマスター
【ブリューナク】
…ああ、マスターはブリューナクに
新たな気付きを与えてくれる存在だ
【ブリューナク】
マスターとの出会い
過ごしてきた時間
すべてが我にとっての宝だ
自身の追い求める宝 そしてロマンの正体に少しだけ 触れたような気がするブリューナク
それと同時に新たな旅が始まる… そんな胸の高鳴りを ブリューナクは感じるのだった
その胸の高鳴りは新スキル 魔眼『秘史の伝授』 となってブリューナクに力を与える
【ブリューナク】
多くのロマンと宝を与えてくれる
マスターに今一度誓わせてほしい
【ブリューナク】
約束しよう、マスター
これからマスターの旅路にどんな
困難が訪れようとも…
【ブリューナク】
このブリューナクが
マスターを必ず守ると
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