Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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350172213 グリモワール・獣刻・ニーズヘッグ 聖誕祭に降り注ぐ炎雪

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ハルモニア兵を倒し、 次の家へと向かった マスターとグリモワール

サンタさん、ありがとう!

次の家の子供は サンタに会うために 寝ないで待っていたのだ

3501721.png 【グリモワール】 ……

一瞬、照れで顔を赤くした グリモワールは子供から 顔をそむける

そして、何も言わず、 足早に家を出ていく

何か言ってあげたほうが よかったんじゃない? とマスターが言うも…

3501721.png 【グリモワール】 …うるさいわね それより 早く次の家に行くわよ

それから、淡々と プレゼントを配っていく グリモワール

大半の家の子供は寝ているが 必ずといっていいほど 子供の両親にお礼を言われるのだった

3501721.png 【グリモワール】 ……

次の家に向かう道中 グリモワールが ぽつりとつぶやく

3501721.png 【グリモワール】 ねえ、マスター 不思議な感じがするわ

3501721.png 【グリモワール】 物をもらったわけじゃない… 逆に渡してる方なのに お礼を言われただけで…

3501721.png 【グリモワール】 気持ちが温かくなる気がするわ

きっと、サンタクロースも 同じ気持ちで、毎年プレゼントを 配っているんじゃないかな?

そんなマスターの言葉に、

3501721.png 【グリモワール】 …なるほどね

そうつぶやくのだった

そして、次の家に行くと…

サンタのお姉ちゃん、 ありがとう!

またも、子供が寝ずに サンタを待っていたのだ

3501721.png 【グリモワール】 ふん、子供が 起きていていい時間じゃないわ 早く寝なさい

子供に優しく微笑む グリモワール

サンタのお姉ちゃん 来年も来てくれる?

3501721.png 【グリモワール】 いい子にしてたらね

そう言って、 子供の頭を撫でるのだった

それからもプレゼント配りを 続けるマスターとグリモワール

街を駆け回る 彼女の小さな唇から 少し弾んだ声で言葉が紡がれる

3501721.png 【グリモワール】 …本当に不思議だわ 笑顔でお礼を言われる…

3501721.png 【グリモワール】 たったそれだけで、 ワタシの方が嬉しいって思うのよ

3501721.png 【グリモワール】 こんな気持ち、初めてだわ

マスターの隊に入ってから、 仲間と共に戦うことに 慣れてきたグリモワール

だが、戦闘以外では なかなか仲間たちと 関わろうとしていなかった

ここまで 他者に関わったこと自体が 初めてなのだろう

3501721.png 【グリモワール】 でぇ、もう一つ 気付いたんだけど…

3501721.png 【グリモワール】 最初から、ワタシを 手伝わせる気だったでしょ?

図星を突かれ うっと言葉を詰まらせるマスター

プレゼント配りを 手伝ってもらうことで

グリモワールに 他人との関りをもつ 切っ掛けにしたかったのだ

3501721.png 【グリモワール】 最初は、なんて面倒くさいこと させるのよって思ったけど…

3501721.png 【グリモワール】 今は少しだけ感謝してるわ

3501721.png 【グリモワール】 それに、兵士たちが街を うろついてる中で プレゼントを配るなんて

3501721.png 【グリモワール】 ワタシたち以外じゃ 危ないものね

3501721.png 【グリモワール】 …さてと、無駄話はこれで終わり さぁ、じゃんじゃん配るわよ!

そんな彼女に マスターは笑顔を返しながら 雪道を一緒に駆け抜けるのだった…

やがて空には白みがかかり 夜明けも間近 そんなときになって、ようやく…

3501721.png 【グリモワール】 終わっ、たぁ! …さすがに疲れたわね

サンタの代行という慣れない作業に さすがのグリモワールも 疲れを見せていた

だが、その表情は どこか満足そうに見える

3501721.png 【グリモワール】 一時はどうなることか思ったけど 時間内に配り終われて よかったわ

ごめんね せっかくのクリスマスだったのに 大変な思いをさせて

そんなマスターの言葉に グリモワールは 意地悪そうに笑みを浮かべる

3501721.png 【グリモワール】 どの口で、そのセリフ言うわけ? 最初から、こうなるって わかってたくせに

3501721.png 【グリモワール】 でも、まあ、いいわ 前も言ったけど、 感謝してるくらいなんだから

3501721.png 【グリモワール】 …他人と関わるなんて 正直、面倒くさいだけだと 思ってた

3501721.png 【グリモワール】 でも、違ったわ たとえ、言葉を交わさなくたって 笑顔だけでも、心が温かくなる

3501721.png 【グリモワール】 その温かさが もっと頑張ろうって思える 力を与えてくれる

3501721.png 【グリモワール】 それがわかっただけでも サンタの代行をした甲斐が あったってものよ

心の中に温かさを感じると同時に 新たな『聖誕祭に降り注ぐ炎雪』 という力を目覚めさせた

確かに笑顔をもらえると 嬉しいけど プレゼントももらえたら、

もっと嬉しくないかな? マスターがそう言うと グリモワールはクスクスと笑う

3501721.png 【グリモワール】 何言ってるのよ、マスター サンタからプレゼントをもらえるのは 子供だけよ?

3501721.png 【グリモワール】 ワタシは子供じゃないから プレゼントはもらえないわ

マスターは袋の中に隠していた プレゼントの箱を出す

3501721.png 【グリモワール】 …え?

サンタからじゃなくて、 僕からのプレゼントだよ そう言って、グリモワールに渡す

3501721.png 【グリモワール】 で、でも…

クリスマスにはね、 子供がサンタからプレゼントを もらうだけじゃなくて、

プレゼントを交換するって 風習もあるんだよ …受け取ってくれないかな?

グリモワールは顔を赤くして 口を尖らせる

3501721.png 【グリモワール】 交換って… ワタシ、マスターへの プレゼント用意してないわよ

グリモワールと一緒に プレゼントを配れて、 とっても楽しかった

クリスマスに 一緒にいてくれた時間が 僕にとってのプレゼントだよ

その言葉に、 グリモワールはさらに顔を 真っ赤にする

3501721.png 【グリモワール】 バカ! キザ! 寒い!

3501721.png 【グリモワール】 まあ…一応、 お礼は言っておくわ… ありがとう

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