350201212 タスラム・獣刻・バンシー 涙のあとに
戦闘を前に泣いていたタスラム マスターは涙のわけを尋ねる
【タスラム】 うるさい…!
逃げようとする彼女の手を 掴むマスター
【タスラム】 は、放せ!
本当のきみはおしゃべり好き なんでしょ?なんでも話してよ マスターが真剣な目で彼女を見つめる
【タスラム】 ………
【タスラム】 なんで、おまえに…
話せば楽になることもあるし、 僕はきみのマスターだからね そう言うマスターに、タスラムは…
【タスラム】 ………
ほら、遠慮しないで話して 優しい目をするマスター
【タスラム】 …じ……実は……
彼女が、重かった口を開き始めた
【タスラム】 あたしが獣刻されているのは、 死を予告する妖精バンシー
【タスラム】 だから、あたしは 死を予感する能力を持っている
【タスラム】 死が迫ってる奴がそばにいると…、 勝手に涙が出ちまうんだ…
…ということは、つまり…… この戦いで、隊の中から戦死者が…? 凍り付くマスター
彼女は泣きながら、語る
【タスラム】 あたしは関わった奴の 不幸がわかってしまう
【タスラム】 きっと、あたしが 不幸を呼ぶ死神なんだ
だから彼女は、 姫たちと関わらないことに 徹底していたのか
【タスラム】 トレイセーマでは… あたしに関わろうとする奴は いなかった
【タスラム】 あたしなんか… いない方がいいんだ…
【タスラム】 そういうわけだ、マスター あたしがいれば、 みんなが不幸になる
【タスラム】 あたしを…隊から外してくれ
涙ながらに、 自ら除隊を願い出る彼女
だが、マスターは言う よし!じゃあ一緒に行こう! 一緒に戦おう!!…と
【タスラム】 は、話を聞いてなかったのか!?
とにもかくにも、彼女の手を引き、 みんなの元に連れて行くマスター
【タスラム】 おい…待て……!
【タスラム】 マスターは… どうするつもりなんだ…?
戸惑う彼女
だが、戦闘は無情にも始まる
【タスラム】 くっ… あたしがいたんじゃ…! 誰かが死ぬんだぞ…!
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