350333212 ラム ウェディングver 喜びにむせび泣きなさい
【ラム】 …………
ラムは例の花嫁役をやってから どうにも機嫌が悪い様子
マスターは頑張ってくれた ご褒美にとラムをいろんなところへ 連れ出していた
【ラム】 …………
だが、成果は出ていないようだ
【ラム】 あら…
辺りを走っていた少年が ラムにぶつかってしまったようだ
【ラム】 …怪我はないようね ラムも悪かったけど あなたもちゃんと前を見て走りなさい
キツい言い方ではあるが 少年の心配をしているラム
【ラム】 痛くないなら もう行きなさい 今度は人にぶつかってはダメよ
ラムの言葉に少年は頷き また駆けていく ラムはそれを見送っている
その様子を見ていると ラムが不機嫌なようには とても見えないマスター
【ラム】 あら、さすがにバレたようね マスター様の困り顔を見るのは それなりに楽しめたのだけどね
遊ばれていたのか…とマスター
【ラム】 それはついでよ マスター様がラムのために あれこれ悩む姿は見ものだったわ
【ラム】 …………
【ラム】 そうね、マスター様ぐらい 丁寧にラムを扱ってくれるなら 悪くないかもしれないわね
急なラムの発言に なんのことだろう、と 首をかしげるマスター
【ラム】 少し遅くなったけど マスター様に聞かれたことの答えよ
どんな花婿だったらいいか その答えのようだ
【ラム】 腑に落ちていなさそうな顔ね でも、それでいいのよ
【ラム】 ラムの想い人は決まっているもの 花婿なんて単なる暇潰しの話題よ
【ラム】 知らない世界にいて これからどうなるかわからない
【ラム】 それでも必ず元の世界に帰る それは決定事項だもの
【ラム】 だから、浮かれた話をしてる 暇はないのよ、わかったかしら
ラムにはラムの事情があるのだろう 今はただ聞くことしかできない マスターだった
その時、先ほどの少年の声が響く 助けを求めているようだ!
【ラム】 こういうことがあるから 油断なんてしていられないのよ
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