360021202 ガンバンテイン・D. plug・サルガタナス まいばとらー
ガンバンテインを 買い出しに連れ出すことには 成功した
しかし…
【ガンバンテイン】 それで? あたしを連れ出して、 一体なにを買うつもり~?
どこか楽しげな声 いろいろなものがバレてしまっている 気がする
もしかして、分かってる? そうマスターが聞いてみると
【ガンバンテイン】 あはは~… まあ、これでも部下は たくさんいるからね
なるほど あのときの気配は使い魔だったんだ、 とマスターは納得した
【ガンバンテイン】 でもさ~ どうして命令しないの~? その方が楽でしょ~?
【ガンバンテイン】 戦わない斬ル姫はいらない? 霊装支配から解放してくれたし、 あたし一人でも十分生きていけるよ?
そう言って使い魔を撫でる彼女の瞳は いつもと変わらずぼんやりと していた
別に全部の斬ル姫が戦う必要なんて ないと思う、 とマスターは答えた
【ガンバンテイン】 …え?
別に僕も戦闘で 役立ってるわけじゃないからさ
だから、こうして買い出しや キミ達と仲を深めたりしてるわけだし
だから別に戦闘をやりたくない子に やれって言うつもりはないよ
【ガンバンテイン】 ふ~ん マスターって変わってるね
そういう彼女の瞳は、 いつもと違って真っ直ぐマスターを 見つめていた
数日後― マスターと隊のメンバーは 森の中を進んでいた
整備された道を進むのは、 敵に見つかる危険がある
このまま森を抜ければ 湖に出られる、 そこで一旦休もう
自分とメンバーの疲労を考えて そう告げたマスターだったが、
【ガンバンテイン】 ん~… それは止めたほうが良いかも いっつばっどちょいす
ガンバンテインに止められた
【アルマス】 え? なに言ってるの?
【ガンバンテイン】 森を抜ける前ぐらいのところ たくさんの兵に 待ち伏せされてるよ~?
【アルマス】 なんでアナタにそれが分かるの? 絶意味不明なんだけど
【ガンバンテイン】 信じるかどうかは マスター次第だね~
わかった 迂回しよう
【ガンバンテイン】 信じるんだ~?
その言葉にマスターは頷いた
自分の大切な仲間の言葉を 信じないで なにを信じるんだと笑う
【ガンバンテイン】 あはは、そっか~ あい、あんだーすたんど それなら、迂回しなくていいよ
【ガンバンテイン】 自分が敵を混乱させるから、 一気に殲滅すればいいよ
どうやって?
【ガンバンテイン】 簡単だよ~?
心底楽しそうに笑いながら、 戦車を進めるガンバンテイン
ガンバンテインの言葉を信じて マスターは森を直進する すると
【???】 ぎゃあぁぁっ
【???】 くそっ! 早くこいつらを振り払え!
そこには、羊に似た精霊に群がられ 慌てふためく ケイオスリオン兵の姿があった
ガンバンテインが言っていたのは これか…
そう思いつつ、 斬ル姫達が突撃するのを 見守るマスター
【ガンバンテイン】 がんばれー
その横には、 のんきに応援するガンバンテインの 姿があった
その夜、ガンバンテインのもとを 訪れたマスター
【ガンバンテイン】 ん~? マスター、どうしたの? わっつはぷん
日が暮れたばかりだというのに 眠たげなガンバンテイン
そんな普段と変わらない姿に笑いつつ マスターはお礼を言った 今日は助かった、と
【ガンバンテイン】 ん~、マスターのやり方が あたしの気に入るやり方だった それだけだよ~
ベッドから体を起こしつつ、 彼女はニヤリと笑った
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