360041214 カドケウス・獣刻・ムニン 獣血『賢鴉の記憶』
あれから数日後――
【カドケウス】
見て、これ
自分の杖をマスターに見せる彼女
【カドケウス】
ここに映ってるのはね、
マスターと過ごした日々だよ
それは紡がれてきた カドケウスの記憶だった
【カドケウス】
隊に入ってすぐの頃は、
マスターを理想の王子様だと思って、
がんばって尽くしてた
【カドケウス】
マスターだけを見てた
【カドケウス】
で、いつからか…
理想と違うって気づいたの
【カドケウス】
でも、
それからの方が
楽しかったな♪
【カドケウス】
マスターが
理想の王子様じゃないから、
仲間の姫も見えるようになったし
【カドケウス】
そのおかげで、
みんなにも尽くそうと思った
優しく出来るようになった
【カドケウス】
今はそんなこの隊が、
私にとってかけがえのない
最高の場所なの♪
【カドケウス】
マスターと同じように…
みんなも守ってあげたい
助けてあげたい
【カドケウス】
みんなの存在が…私に力をくれるの！
芽生えた仲間を想う気持ちが、 彼女にまた新たなるスキル
獣血『賢鴉の記憶』を 与えていた
【カドケウス】
ほんと…楽しかったな
杖の記憶を見ながら、 これまでの日々を噛み締める彼女
【カドケウス】
でも、ここで終わりなんかじゃない
もっともっと、
ここに記憶を刻んでいく
【カドケウス】
ちゃんと…
楽しいことばかりじゃないって
分かってるよ
【カドケウス】
だって私たちは…斬ル姫だから
【カドケウス】
でも、いつか…
【カドケウス】
それが敵の凶刃に倒れる日か、
平和になって武器を置く日かは、
分からない
【カドケウス】
でも、その日まで…
マスターを守り抜くよ
【カドケウス】
この…漆黒の翼に誓ってね
微笑んだ彼女の目は、 力強い決意の光に満ち溢れていた
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