360081212 悪魔グリダヴォル 死者の理解者
【グリダヴォル】 従者のロズが教えてくれたの
【グリダヴォル】 なんでも、ある死者の霊が、 成仏できずに彷徨ってるんだって
【グリダヴォル】 なにがあったのかは分からないけど、 力を使い果たし、 衰弱しているらしいの
【グリダヴォル】 だから…今から、 その霊を助けに行こうと思って
真剣な目で語る彼女
姫と関わらないのは、生者よりも 死者の世話を焼いていたからなのか… とマスターは納得する
でも、どうしてそこまでするの? 顔見知りの霊じゃないんでしょ? そう尋ねる
【グリダヴォル】 どうしてって…
【グリダヴォル】 だって、見えるように なっちゃったんだから
【グリダヴォル】 例え死者の霊でも… 困ってる奴を放っておけないじゃん
真っ直ぐな目で言い放つ彼女
その言葉に対し、マスターは…
僕も手伝うよ と、願い出るのだった
【グリダヴォル】 …!
【グリダヴォル】 ふふふ
【グリダヴォル】 どうやら君も… 相当の世話焼きみたいだね
かくして彼女は、 マスターと共に行くことに
ロズに案内され、森に入るのだった
【グリダヴォル】 …ここか
【グリダヴォル】 あっ!
なにかを視認した様子の彼女
だがマスターには見えず、 悪寒を感じる
【グリダヴォル】 それは霊に攻撃されている証拠よ
【グリダヴォル】 待っててね 今、私が説得するから
空に向かい、叫ぶ彼女
【グリダヴォル】 やめて!私は君の味方だよ!
【グリダヴォル】 …くっ、ダメか
彼女の言葉は信じてもらえず、 攻撃を止めない死者の霊
【グリダヴォル】 一体、どうして…? なにが君をそこまで、 させるの!?
――と、その時、
【グリダヴォル】 !!
【グリダヴォル】 あなたたちは…
そこにいたのは、敵の兵団だった
【グリダヴォル】 あっ!やめなさい!!
霊が兵団に攻撃を仕掛ける
【グリダヴォル】 …そっか、 そういう事だったんだ…
彼女は理解した
【グリダヴォル】 君は…それを守るために…
彼女の視線にあるのは、 古びた石碑
【グリダヴォル】 それ…戦争で死んでいった 人たちの霊を慰める… 慰霊碑なんだね
敵兵は侵攻の妨げになる慰霊碑を、 無慈悲に排除しようとしていたのだ
【グリダヴォル】 君は…静かに眠る仲間を…
【グリダヴォル】 守りたかったんだね
慰霊碑をどかそうとする敵兵に対し、 抵抗し続ける死者の霊
【グリダヴォル】 やっぱ…
【グリダヴォル】 私ってお節介だな そういうの見せられたら…
【グリダヴォル】 放っとけないんだよね!!
【グリダヴォル】 うおぉぉぉぉっ!!
武器である杖を握り、 彼女が敵兵に斬り込んでいった
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