360131211 シストルム・獣刻・バステト 気まぐれ猫を追って
戦闘の合間の休日 その夜更け前のこと
シストルムに伝言のあるマスターは 彼女の居場所を 他の姫たちに尋ねていた
ところが、誰ひとりとして シストルムの居場所を知らないという
またか、と嘆息するマスター 気まぐれな彼女は しばしば隊を抜け出してしまう
探しにいこうとしたマスターの元へ 一匹の子猫がすり寄ってきた
何かを伝えるように一鳴きし、 町がある方角へ駆け出す子猫 マスターは後を追いかけるのだった
とある町のとある豪邸宅 そこから、兵士たちが 慌てた様子で飛び出してくる
【シストルム】 じー…
そんな兵士たちの様子を、 木の上から眺めるシストルム
【シストルム】 ふふっ、慌ててる、慌ててる…
【シストルム】 まっ、あの間抜けな悪党どもじゃ ボクを捕まえられないだろうけど
【シストルム】 それじゃ この宝石はボクがいただいたよ…
ぴょん、と木の上から 飛び降りるシストルム
そのとき、 やっと見つけた! と、シストルムの背後から声がかかる
【シストルム】 にゃッ!? も、もう見つかったのかにゃっ…!?
【シストルム】 この宝石は絶対に渡さな…
【シストルム】 …っ!? な、にゃんでマスターがここに!?
シストルムに声をかけたのは 呆れ顔のマスターだった
【シストルム】 じー… 確かに寝顔を見てから出てきたのに…
返事の変わりに ここまで案内してくれた 子猫を差し出すマスター
【シストルム】 そ、その子は…! 返すにゃッ!
【シストルム】 くっ、ウチの子を手篭めにして ボクの居場所を割り出すなんて…
【シストルム】 他の姫たちもベッタリだし やっぱりキミは洗脳の魔法でも 使っているんじゃないか?
【シストルム】 使ってにゃい? ふん、どうだかね
【シストルム】 いいかい ボクはまだキミを信用していない
【シストルム】 もしウチの子に手を出すようなら たとえキミでも容赦はしな…
シストルムがそう言いかけたとき いたぞーっ、という兵士の声が 近くから聞こえてきた
【シストルム】 にゃッ…! 少し喋りすぎたかにゃ? あ、ちょっとこっちは袋小路…
シストルムを逃がそうと マスターは一緒に逃げ道を探すが 残念ながら見当たらない
【シストルム】 早く帰らなきゃいけないのに… ボクの帰りを待つ子供たちのために 負けるわけにはいかないにゃ!
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