360131212 シストルム・獣刻・バステト 母猫と子猫たち
泥棒は悪いことだよ、と マスターはシストルムに伝える
【シストルム】 …
そして黙ってうつむくシストルムに 何か事情があるなら話してほしい と、真剣な表情で続けるのだった
【シストルム】 …まったく、わかったにゃ キミには事情を見せてあげる 特別についてきてもいいにゃ
彼女は子猫を抱えて 路地裏の奥へと消えていく マスターはその後を追いかけた
そこで待っていたものは…
シストルムだ!おかえりなさい! わーい、ママが帰ってきたよ! と、彼女に駆け寄る子供たちだった
【シストルム】 みんな、 ちゃんと大人しくしてたかにゃ?
大人しくしてたー! ごはーん! と、子供たちは飛び跳ねる
【シストルム】 ふふふっ、わかったわかった すぐにご飯にするからにゃ
路地裏の奥深くに住む子供たちと その親代わりをしている彼女の様子に マスターはただただ目を丸くした
【シストルム】 …ねぇ、キミ 驚いたかな? この子たちは親に捨てられた子なんだ
【シストルム】 身寄りのないこの子たちは 明日、食べるものすらままならない
【シストルム】 だからボクが面倒みているんだ
そう言うと、彼女は愛おしそうに 足元にすりよる子猫を指で撫でる
【シストルム】 この子たちも含めて、 みんなボクの大切な家族なんだよ
【シストルム】 …って
お兄ちゃんはママの友達なの? それとも、パパなの!? と一斉に話しかけられるマスター
【シストルム】 な、なんでもう打ち解けてるにゃ? いくらキミでも早すぎるにゃ!
【シストルム】 フーッ! ウチの子たちに近づくんじゃない!
【シストルム】 こんなに仲良くなるなんて… なにかおかしな術でも使ったんだな そうに違いないのにゃ!
威嚇の声を出しながら シストルムは子供たちの前に出る
【シストルム】 キミといい、あいつらといい どうしてみんな ボクらに関わろうとするにゃ
あいつらって、あの人たち? と、マスターは端のほうで こちらを見ている人たちを示す
【シストルム】 むーっ、そうだよ… この町の人たち
【シストルム】 もう、帰ってよ この子たちは渡さないよ
シストルムは 町の人たちに牙をむける
何か事情があるのかも、と マスターは町の人たちにも 話を聞いてみることにした
どうやら町の人たちは シストルムが子供たちのために 戦っていると知っているようだ
今回の一件も、ある貴族が 子供に酷い仕打ちをしたため こらしめてやったということらしい
シストルムはシストルムなりに 正しいと信じる戦いをしていたのだ
【シストルム】 …ふん
穏やかな笑顔で子供を守りながら 必要とあれば 危険な怪盗活動にも身を投じる
そんなシストルムに、マスターは…
選択肢:
- さっきはごめん、と謝った → select_label_01へ
- なんていい姫だ、と泣いた → select_label_02へ
- パパと呼んでいいんだよ、と言った → select_label_03へ
そんなシストルムに、マスターは…
select_label_01:
【シストルム】 別にいいよ ボクは正義のヒーローじゃないにゃ
select_label_02:
【シストルム】 な、なにも泣くことないにゃ! よ、よしよしなんてしないからね!
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【シストルム】 子供たちの前じゃなければ その平和ボケした面を 引っ掻いてやるところだにゃ
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これまでの方針を変えて シストルムに協力しよう と、マスターは心に決めた
そして、そんな折のことだ
いたぞ!泥棒猫だ! という声が、路地裏に響き渡った
【シストルム】 なっ、さっきの兵士たち!? こんなところまで追ってきたにゃ?
兵士たちは武器を取り出し 子供たちもろともひっ捕らえようと 駆け込んでくる
【シストルム】 フシャーッ! この子たちには… 指一本触れさせないにゃ!
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