360131213 シストルム・獣刻・バステト 闇を跳ねる鋼爪
マスターの協力もあり 兵士たちを返り討ちにしたシストルム
【シストルム】
よくもウチの子たちにまで
手を出そうとしてくれたね…
【シストルム】
さあ、闇の魔術で
トドメをさしてやるにゃ…っ！
【シストルム】
…ッ！
なんでキミが邪魔をする…ッ！
トドメを刺そうとした彼女の前に マスターが立ちはだかっていた
【シストルム】
こいつらは子供たちを襲おうとした
かばう理由なんてない！
怒りを露にする彼女に マスターは路地裏を示す
そこには震える子供たちがいた 怒るシストルムに怯えているのだ
【シストルム】
…ボクが、怖いって、いうの
君は子供たちを思うばかりに 子供たちを忘れていたんだよ と、マスターが伝える
【シストルム】
確かに、そうかもしれない、にゃ
でもボクは子供たちのために…っ！
君が子供たちのことを いちばんに考えているのは 知っているけれど…
心から子供たちを助けたいと 思っているのは君だけじゃない と、真っ直ぐに告げるマスター
【シストルム】
え…
呆然とするシストルムに 今度は優しく微笑んで、 マスターはこう伝える
町の人たちのことも ツンツンしていないで 受け入れてあげなよ、と
【シストルム】
それは…嫌にゃ
子供を見捨てた人たちの言うこと
なんて、信用できるはずがないにゃ
子供たちのことを考えるなら 彼らの提案は聞いておくべきだ と、マスターは教える
【シストルム】
提案？
町の人たちの代表らしき人物が 一枚の手紙を彼女に渡した
【シストルム】
これは、なんなのにゃ？
…名前が、びっしり書いてあるけど
マスターが説明する それは、子供たちの保護を申し出た 人たちの名前だよ、と
【シストルム】
こんなに…？
い、いや、子供を見捨てた大人が
保護なんてできるわけがないにゃ
シストルムの活動に触発され 子供たちを助けようと思った人も 大勢いるんだよと、マスターは伝える
【シストルム】
ボクの、活動…？
【シストルム】
…………
シストルムは、 受け取った手紙に目を通していく そして、ふとあるものに目が留まった
【シストルム】
これは…猫の絵かにゃ？
【シストルム】
絵が…笑ってる
とっても、楽しそうだにゃ
その猫の絵はね、 みんなで描いたんだよ と、一人の少女が一生懸命に伝える
みんなママの力になりたいんだって ね？と、笑いかける少女につられ、 町の人たちも優しい微笑みを浮べた
【シストルム】
…そっか、ツンツンしてたのは
ボクだけだったのか
子供たちの安全を守るために、 隊からもできるかぎり援助するよ とマスターが付け加える
【シストルム】
もう、キミまで…
わかった、わかったよ
【シストルム】
でもね、覚えておいて
ボクはいつでも子供たちのことを
見守っているんだからねっ
【シストルム】
もし傷つけでもしたら、
許さないからにゃ！
最後まで素直になりきれていない シストルムにマスターは苦笑しつつも よかったね、と微笑んだ
【シストルム】
少し寂しいけれどね…
子供たちがボク以外と仲良くするのは
【シストルム】
でも、いつもボクが子供たちの
側にいてあげられるわけじゃない
だから、これでよかったと思うよ
【シストルム】
子供たちのことを考えるなら…か
【シストルム】
キミに免じて、ボクも少しだけ
心を広く持てるようにしてみるかにゃ
一人の戦いから開放された彼女は 『闇を跳ねる鋼爪』を 獲得していた
【シストルム】
あと、もうひとつ
…キミの言う通りにしてみるにゃ
【シストルム】
なにって…
つ、ツンツンするのを
止めてみてもいいかにゃって
【シストルム】
ちょっとだけだよ！
ちょっとだけだからにゃ！
なんだかんだ言いつつも 手紙を大事に抱えたシストルムは そう言って照れくさそうに笑った
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