360141211 プタハ・D. plug・ブエル 眠れ愛しき子よ
魔獣に襲撃されている 街をどうか救って欲しい、 という依頼を受けたマスター
道中は魔獣によって荒らされたらしく その所々に爪痕が残されていた
【プタハ】 道中からこの有様では… 今頃件の街は悲惨な状況であろう
【プタハ】 だが…全てはこの母に任せておけ 傷ついた住民も、我が治してやる
【プタハ】 ゆえに、そう急ぐ必要はない どのような怪我も、 我にかかれば全て元通りなのだから
彼女の言葉はもっともだが それはできないと 返答するマスター
自分たちが早く着くことで たとえわずかでも苦しむ人が 減るなら、無理する価値はある
はやる気持ちを抑えきれず、 マスターは全速力で駆け抜ける
【プタハ】 これこれ、あまり無理をするでない 心がけは立派であるが、 限度というものが…
プタハの心配通り、 マスターの顔に疲れが 見え始めていた
【プタハ】 ほれ見ろ… 母の言うとおりであろう
母性が強いプタハは マスターに対し、まるで 自分の子供のように接してくる
速度が落ちてきたマスターの姿に 仕方がないと言いながら プタハは笑みを浮かべた
【プタハ】 今日はもう遅い ここで休んで行かぬか?
【プタハ】 ほら、我が膝枕をしてやる 存分に甘えて良いのだぞ
大きく柔らかい身体で 抱きしめようとするプタハ
しかし、マスターは プタハの誘惑をはね除ける
【プタハ】 そう強がる必要もないだろう? そなたはこれまで良く頑張った ここで少し休んでも罰は当たるまい
【プタハ】 ……さあ、我の元へおいで 愛しき我が子よ
甘い言葉に足を止めそうになるが、 自分たちを待つ人々の姿を思い、 なおも立ち上がるマスター
【プタハ】 むう…そうか? 我が子の辛い顔を見るのは 母として忍びないのだが…
少々不満げな態度を見せつつ プタハは再び走り出した マスターの後を付いてくる
その時― 周囲に怪しげな 遠吠えが響き渡った!
【プタハ】 魔獣の声…!? 来るぞ! マスター!
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