360251201 カリス・聖鎖・アザゼル ミラクルを起こすのは
いつもは静かな森の中 しかし今日は―
【カリス】 やっほぃ、みんなー! ご飯の準備できたよ~!
最近マスターの隊に加わった カリスの明るい声が響いていた
【キプル】 カ、カリスゥ… どうして急にご飯を作るなんて 言い出したんです?
【キプル】 戦闘が 終わったばかりですよ
【カリス】 そうした方がいい気がするの! なんとなくだけど
【キプル】 カリスの無茶のせいで、 後で謝らないといけなくなるのは キプルなのですが…
カリスの無茶に 付き合わされることの多いキプルは その言葉にため息をついた
【キプル】 そ、それよりカリス… あの方は どうするおつもりですか?
【ケイオスリオン兵】 …ぐぅぅっ
キプルの示す先には、 苦痛に体を震わせる ケイオスリオン兵の姿があった
【カリス】 もちろん 治療してあげるつもりだよ?
【キプル】 いけません、カリス! 彼は敵なのですよっ
【カリス】 でもあの人も 人間だもん
【キプル】 今治療すれば他の斬ル姫にも 迷惑がかかるではないですか
言い争う二人に気付き、 マスターが駆け寄ってきた
どうしたの? と尋ねるマスターに キプルは頭を下げる
【キプル】 申し訳ありません、マスター カリスが彼を助けると 言い出して…
その言葉に、 マスターは目を白黒させた
【カリス】 人を助けたいって思ったら 敵だとかそういうのが どうでも良くなっちゃって
人懐っこい笑みを 浮かべるカリスに マスターは口を閉ざす
【キプル】 だからといって、 こんなことを続けていては、 どうなるか分かりません
二人の言い分に マスターは腕を組んで悩む
僕には上手く表現できないけど… カリスにはなにかが足りてないと思う
たぶん、それが一番分かるのは、 隣にいるキプルだと思う と、マスターは告げた
【キプル】 ………… 頑張ってみます
マスターの言葉に なにか思うことがあったのか、 キプルは少し考えて、頷いた
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