3602523 カリス クリスマス 聖夜を彩る奇跡
難なくハルモニア兵を倒し、 プレゼントを取り返した カリスとマスター
【カリス】 まったくっ 子供が楽しみにしてるプレゼントを ネコババしちゃダメだよっ!
【カリス】 誰かの望みを踏みにじるなんて このカリスちゃんが絶対に 許さないんだからねっ!!
声に怒気がこもっている カリスは本気で怒っていた
しかし、マスターの方を 振り向いた瞬間、そこには いつものカリスの笑顔があった
【カリス】 急いで街に戻ろうっ! あの子が、待ってる!
【子供】 うわあ、ありがとうお姉ちゃん!
【カリス】 お礼なんかいいんだよっ カリスちゃんは、天使なんだから!
子供の笑顔を見て、カリスの笑顔が いっそう弾けている
【子供】 お姉ちゃん、天使なの? だったら、天使のお姉ちゃんに お願い事してもいい?
【カリス】 もっちろん! なんでも言ってごらん?
【子供】 天使のお姉ちゃんの願い事も 叶いますように!!
【カリス】 …え?
子供は、笑顔のまま走り去っていく カリスは、困惑しているようだった
【カリス】 わたしの…願い事…?
あの子の願い、叶えてあげないの? とマスターは言う
【カリス】 で、でも、わたし…
人の願いを叶えたり、誰かのために 行動することは、尊いことだ そんなカリスを誇らしく思っている
だけど、たまには自分の望みを 言ってもいいのではないか、と マスターはカリスに告げる
【カリス】 でも、わたしは天使だから みんなの望みを叶える存在でいたいの そんなわたしが望んじゃいけないの
天使が望みを叶える存在なら 天使の望みは誰が叶えるのか と、マスターは力強く言う
いつもじゃなくても、年に一度の 特別な日くらい、天使の望みが 叶ってもいいのでは、と
【キプル】 …マスターの言う通りです カリスには振り回されてばかりですが あなたもたまには報われるべきです
【キプル】 あなたの優しさで、救われた人が たくさんいるのですから
【カリス】 …キプル それに、マスター…
【カリス】 …本当に、わたしの望みなんてないよ? 今までそんなこと考えたことも なかったわけだし…
【カリス】 それに、マスターたちと クリスマスを過ごせるだけでも 十分私は幸せだよ?
じゃあ、あの子の望みを叶えて あげなくていいの?とマスターは 少し意地悪を言う
【カリス】 ううう…そうだよね… あの子の願いだし… でも…
まだ渋っているカリスの姿を じっと見つめるマスター
【カリス】 …ううん、決めた! あの子の願い、叶えよう! 悩むなんてわたしらしくないしね!!
【カリス】 行こう、マスター
カリスに連れられ、先ほどの 古い教会が建っている場所に やってきたマスター
覚悟を決めたように両手を組み、 祈りを捧げようとするカリス しかし、一瞬不安そうな表情になる
【カリス】 …ねえ、本当に私の願い、叶うかな?
震えた声でそう言うカリス 顔は見えないが、その声から 不安が伝わってくる
叶うよ、絶対に叶えてみせる その不安を取り除くような 力強い声で言い切るマスター
【カリス】 !! …ありがとう、マスター
マスターの言葉で迷いを振り切った カリスは、決意をし、教会に向かって 一心不乱に祈りを捧げる
その決意の結果 『聖夜を彩る奇跡』 が彼女の心に刻み込まれた
【カリス】 終わったよっ! ちゃんとお祈りした
【カリス】 初めてのことだから…なんだか 照れくさいけど…ふふふっ 私の願い、叶うといいなっ!
振り返ったカリスの目に、新しい光が 宿っていた
それを見たマスターは、 絶対に叶えてみせる、と カリスに約束する
何を願ったの?と カリスに聞くマスター しかし…
【カリス】 ふふふっ 内緒!!
弾けるような笑顔で、街へと足を 向けるカリス。それを慌てて 追いかけるマスターとキプルであった
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