360281211 ロフィア 知識にはお菓子
【ロフィア】 世界を、知りたいんだ…
宿営地の部屋の隅っこ 買ってきた大量の書物を広げ その山の中で座り込む女の子
【ロフィア】 この世界は、自然の流れも違う… いっぱい学んで、いかないと…
彼女の名はロフィア 何の因果か、異世界から現れ マスターの隊が引き取った姫だ
【ロフィア】 本、読みたくて…
遠慮がちに書物へ目を逸らしながら 答えるロフィア
【ロフィア】 でも、誘ってくれて、ありがとう…
隊の姫達とも交流しているようだが どこか一線を 引いているようにも見える
今日もランチタイムは 他のキル姫達の誘いを断り…
ひとりひっそり 山積みになった本の影に ゴハンを置いて食べていた
根を詰め続けるロフィア マスターは、彼女が好物だという お菓子を持って息抜きの提案する
【ロフィア】 き、キリが良いところまで 読みたいから…また、今度で…
ロフィアの鼻腔をくすぐる甘い香り
【ロフィア】 い、今は…忙しいから…っ
マスターが抱えたバスケットには 姫達に相談し持参した 焼きたてのブリオッシュその他諸々…
【ロフィア】 うっ…
【ロフィア】 か、からだが、勝手に…
ロフィアが手をかざすと 床に拡がった書物達が 一斉に浮かび上がる
【ロフィア】 ま、魔法が、勝手に… うっ、うぅっ…!
書物達はひとりでに パタパタとページを閉じると 部屋の角にずらり整然と積み上がる
唖然とするマスター
【ロフィア】 しまった… 魔力が暴走してしまったね…
明らかに制御されたロフィアの意思で 本を片付けたのが見て取れたが マスターは言わないことにした
【ロフィア】 ………息抜きついでに ピクニックでもしようか
遠慮と疲労と、ほんの少しの お菓子への食欲を覗かせながら ロフィアは立ち上がった
思わぬ申し出に 読書はいいの?とマスターが気を遣う
【ロフィア】 皆のランチタイムを 邪魔したくないから
その発言の意図を マスターが汲み取りかねていると…
【ロフィア】 敵が来るよ
ロフィアは窓から外を見やり 呟く
【ロフィア】 大自然の流れ フォースエレメンタル
【ロフィア】 私の魔法はね、自然に干渉して 色んな形に具現化させるけど あくまで自然の摂理に則った術法…
【ロフィア】 魔法とは自然を学ぶこと だから…
敵の兆候も感じられぬまま ただただ混乱するマスターだが…
【ロフィア】 …道連れにしちゃって ごめんね でも、知りたいんだ
ピクニックには似つかわしくない 苦い表情を覗かせると ロフィアは法衣を翻した
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