360281214 ロフィア ノスタルジアライズ
【ロフィア】 一流の魔道士は道具を選ばない 時も、場所もね 知ってた?
ランチの後のお茶会が開かれている
ロフィアが異族の襲来を幾度も予見し それを退けたあとの祝勝会でもある
マスター、キル姫達 そして、もちろんロフィアも参加し 賑やかなピクニックのようだ
【ロフィア】 わ、わ、わ… こっちの世界にも こんなに、いっぱい、あるんだ…!!
バスケットに入れられた 色とりどりのお菓子は どれもロフィアの希望のモノばかり
クッキー、シュークリーム タルト、ブリオッシュ…
【ロフィア】 美味しいな… こんな大勢でお茶会するのなんて 初めてだ
皆と共にお菓子を囲み 皆と共にこの世界の “今”を過ごすロフィア
【ロフィア】 もう誰も、ばいばいさせないよ この世界も、元の世界でも
両手にお菓子を持ち 無邪気な笑顔を見せつつ その奥に強い意志を覗かせるロフィア
【ロフィア】 もうやり直さなくてもいい “未来”をむかえる為に
【ロフィア】 私は、この世界の味方になる
それは彼女の新スキル 『ノスタルジアライズ』 誕生の瞬間でもあった
ロフィアとキル姫達は 同世代の少女達のそれのように
お菓子を囲み、お茶を飲み 他愛ないおしゃべりに 花を咲かせていく
【ロフィア】 これ、愛用の “いつまでも熱が冷めない魔法瓶”
【ロフィア】 それから、これ、便利なんだ “お菓子を食べながら読める 浮遊する本”
キル姫達は、異世界の魔法に 興味津々で食いつく
そんなロフィアを 遠巻きに微笑ましく眺めるマスター
そこにキル姫達がお菓子を勧めに来る ロフィアの魔法に魅入られ その興奮そのままに大騒ぎである
【ロフィア】 …
快く応じるマスターを 横目に気にし始めるロフィア
やがて、こっそりと 他のキル姫に混じってロフィアは マスターの横の席を陣取る
【ロフィア】 ふたりでのお茶も…しようね
その表情は複雑 不機嫌なのか、戸惑いなのか マスターには測りかねたが…
【ロフィア】 …皆が優しいのはなぜか わかった気がする
少し拗ねた子供のように 口を尖らせ放つ言葉
【ロフィア】 皆に甘いからだね、貴方が
そのロフィアの微笑は イジワルな魔女のようだった
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