360311213 ヘスティア ファミリアの力
一時は優勢だったマスター達だが 敵兵士の抵抗が続き 戦闘が長引いていた…
【ヘスティア】 退いちゃダメだ! ここで退けばそこから崩れる… 辛いけど、みんな耐えてくれ…
ヘスティアも後方支援として 必死に頑張ってくれているが 彼女も苦しい状況のようだ
直接戦うことのできない マスターもまた、その歯がゆさと 戦っていた
指示を出すことしかできない 自分の無力さが胸を刺す
だが、あと少しだ みんなを信じるしかない そう思っていた瞬間…
【ヘスティア】 ん? なっ、こんなとこに!
真正面からだけでは消耗するだけ そう考えた兵士達は少数の兵を マスター達の背後に回り込ませていた
その存在に気付いた瞬間 マスターはヘスティアのもとへ 駆け出していた
【ヘスティア】 こ、こっちに来たら…っ!
駆けてくるマスターに気付いたのか 兵士は慌てるようにその刃を ヘスティアへ向けて放つ
【ヘスティア】 おわっ!
マスターはヘスティアへ向けて 飛び込むように転げ 間一髪、兵士の攻撃を避けた
【ヘスティア】 無茶をしないで…って あれほど言ったのにキミは…
【ヘスティア】 ああもう… 見る目がないのかなボクは!
【ヘスティア】 いや、きっとその逆なんだろうな…
【ヘスティア】 ベル君も、ボクがピンチになったら こうやって助けてくれる
【ヘスティア】 だからボクは、そんな子を 信じ、尊敬し、愛でるんだ
転げたことで敵から距離を 取ることができたマスター達
すぐに追撃が来るだろう けれど、マスターは傷だらけに なりながらもヘスティアの無事を喜ぶ
【ヘスティア】 ボクは… そんなキミを放っておけないよ
ヘスティアの想いが 『ファミリアの力』 となり、その力が発動した
ヘスティアの能力によって 兵士達がひるんだその隙に 姫達がマスター達のカバーにまわる
作戦が失敗したことによる影響か 兵士達の足並みが崩れる 姫達はそこを狙い、反撃する
長い戦いが終わり ほっと一息をつくマスター達
だが、戦いの時と同じ表情で ヘスティアはマスターに詰め寄る
【ヘスティア】 だーかーらー! あれだけ無茶なことはしないでって ボクはキミにそう言ったはずだよね!
ごめん、つい… と謝り倒すマスター
【ヘスティア】 まったくもう…けど、ふふっ
ヘスティアはふっと 微笑みを見せる
【ヘスティア】 そんなキミだから 信頼できるって思ったんだ
【ヘスティア】 助けてもらっちゃったし… 今回はボクの根負け キミには敵わないよ
そう話すヘスティアの表情は まさに女神というような 慈愛に満ちたものだった
Next: 360311214