360312212 ヘスティア バイト 信じる気持ち
【ヘスティア】 勇み足で出発したものの いろいろ大変なんだねぇ…
元の世界での神としての制約が この世界でも適用されているのかは 別として、
ヘスティア自身が戦うことはできない
だが、姫達の援護をしてくれる ヘスティアはとても頼もしい
【ヘスティア】 …………
そんなヘスティアが 何やらいつもより大人しいように 感じるマスター
【ヘスティア】 …ちょっと ひとりになりたいんだけどいいかな
【ヘスティア】 あ、心配しないでいいよ! 戦いに参加するのは慣れてないから ちょっと落ち着きたいだけだから
そう言うとヘスティアは すぐに隊から離れていく
心配しないでいい ヘスティアはそう言うが どうしても心配になるマスター
何故ならば 彼女がどこか思いつめたような 雰囲気を漂わせていたからだ…
【ヘスティア】 ん…あぁ、なんだキミか 心配しないでって言ったのに おせっかい焼きだねぇ
【ヘスティア】 …けど、そうでもなきゃ よそ者のボク達を受け入れて くれたりなんかしないか…はは
何かあったの? とヘスティアに問うマスター
【ヘスティア】 さっきも言っただろう? 慣れない戦闘で少し疲れたんだよ
そう言ってマスターから 目を背けるヘスティア
【ヘスティア】 …別に、なんでもないんだ
マスターと目を合わさず そう言うヘスティアにマスターは 仲間なんだから話してほしいと諭す
【ヘスティア】 仲間…
【ヘスティア】 キミはボクのことを そう思って…ちゃんと頼って くれていたんだね
【ヘスティア】 なのにボクは 見栄なんか張って… ふふ、悪かったよ
やっぱり普段は 無理をしていたんだね とマスター
【ヘスティア】 キミにはお見通しだったか …そうだね、ちょっと無理してた
【ヘスティア】 知らないところに来て それが違う世界だってわかって…
【ヘスティア】 そのせいかわからないけど ボクの神格も うまく作用しないんだ
【ヘスティア】 そんなボクが キミの役に立ってる訳がない …そう思ってね
そんなことない とマスターは即座に否定するが…
【ヘスティア】 ふふ、キミは優しいんだね けど、実際のところ…ね
マスターはそんなことないよ… と本心から伝えるが ヘスティアの心には届かない…
【ケイオスリオン兵】 戦闘の形跡は新しかった… このあたりにまだ潜んでいる 可能性がある、探せ!
【ヘスティア】 あ、アイツら…っ!
マスターはヘスティアの 手を引き、兵士から身を隠す
【ヘスティア】 キミとボクは戦えないんだ いくら隠れても 見つかるのは時間の問題…
【ヘスティア】 みんなとも離れてるし このまま見つかったら…
そう、見つかったら マスターとヘスティアの 命の保証はないだろう
マスターは恐怖心に支配され 震える膝を抑えることしかできない
そんなマスターの手を そっとヘスティアが包む
【ヘスティア】 だ、大丈夫 きっとみんなが来てくれる
優しく笑いかけるヘスティアだが その笑顔はこわばっている それどころか彼女も声が震えている
【ヘスティア】 …大丈夫 みんなを信じて待つんだ
それでも笑顔を崩さず マスターを励ますヘスティア
何の根拠もないヘスティアの言葉 だが、マスターの震えは いつしかなくなっていた
【ケイオスリオン兵】 ここはまだ見ていなかったな
兵士が二人のところへ 迫ってくる このままでは見つかってしまう
絶体絶命 …が、その時
【ヘスティア】 …ふぅ、よし
ヘスティアは何かを決心したように 一言つぶやくと突然走り出す
【ヘスティア】 キミは今のうちに逃げるんだ! …キミはこの世界に必要なんだから!
あっ、とマスターが 声を発する間もなく ヘスティアは離れていく
【ケイオスリオン兵】 やはり隠れていたか!
【ヘスティア】 あたっ!
しかし、兵士に見つかった直後 ヘスティアは呆気なく転んでしまう
【ケイオスリオン兵】 はは、観念するんだな!
ヘスティアに兵士の攻撃が迫る マスターは助けに入ろうとするが どうしても間に合わない…
【ヘスティア】 …へ?
兵士の攻撃は弾かれていた マスターとヘスティアの仲間である 姫達によって
【ヘスティア】 み、みんな! …本当に来てくれたんだ
ヘスティアに駆け寄るマスター 彼女を支えながら、姫達に指示を出す
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