40057203 与一 『学園の思い出』
あれから数日後─
ベンチに腰掛け、 話しているマスターと与一
弓道大会での優勝、 おめでとう マスターが笑顔で彼女に言う
【与一】 ありがとうございます!
【与一】 でも、優勝できたのは… マスターのおかげですよ
どうして?僕はなにもしてないよ と、返すマスター
【与一】 そのままでいいって、 言ってくれたから
【与一】 がんばり過ぎる与一を 尊敬するって言ってくれたから
【与一】 だから、私… 自信が持てたんです!
【与一】 そしたら、目覚めた力を 上手くコントロールできるようにも なってきて、
【与一】 学園のみんなを今まで以上に 助けてあげられるようになりました!
【与一】 みんな、とっても喜んでくれるから、 与一も…とっても嬉しいんです!
その心の変化が、 彼女にまた新たなるスキル 『学園の思い出』を授けていた
【与一】 ねぇ、マスター
なに?
【与一】 この前、疲れたら疲れたって 正直に言うって言いましたよね?
疲れたの? 大会で大変だったもんね そう返すマスターに…
【与一】 そ、そこまで 疲れてはいないんですけど…
どうしたの?
顔を赤くして、 モジモジする与一に マスターが尋ねる
【与一】 「た、大会、お疲れ様」…って、 言ってもらえますか…?
潤んだ瞳で見つめてくる彼女 きっと彼女なりに、 勇気を振り絞って言ったのだろう
「大会、お疲れ様」 「優勝、おめでとう」
そう言って、彼女の頭を 撫でてあげるマスター
【与一】 あ、ありがとうございます…
【与一】 マスターから力をもらえたから… これでまた明日からがんばれます!
【与一】 マスター、与一は…
どうしたの? 尋ねるマスターに…
【与一】 い、いえ…! やっぱりなんでもありません!!
【与一】 これからも… 与一はがんばります! …えへへ
柔らかい笑顔になった彼女は、 可愛らしく、どこまでもピュアだった
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