401722012 スイハ ウェディング 空に願いを
【スイハ】 また、星の見えない夜… なかなか晴れませんね
普段よりも雨や曇りの日が多い 6月のラグナ大陸
スイハは婚礼衣装を着て 戦場に出続けていたが 今夜は部屋で休息を取っていた
【スイハ】 マスター 少しよろしいですか?
どうしたんだ、スイハ? とマスターは耳を傾けてみる
【スイハ】 あの曇りの空模様と… 戦う方法はないのでしょうか?
えっ?
【スイハ】 あ、いえ… おかしな質問でした 忘れてください
いや、気になるけど… どうして?
【スイハ】 以前マスターにも お話したかと存じますが…
【スイハ】 この衣装を着て、 雨の合間の晴れを拝めば わたくしの願いは、叶う…
【スイハ】 しかし、しくじって雨に濡れれば 衣装に込められた願いは 恐らく、失われる…
だったら晴れてから衣装を着ても いいんじゃないか?と マスターは言いかけるが…
【スイハ】 …アジサイをご存知ですか? 雨の頃に合わせて花開くかのような あの花を
【スイハ】 花も、雨が降ってから 慌てて咲こうとするものでは ないと思うんです…ですから…
【スイハ】 その… うまく言えなくて…すみません
いや、気持ちはわかるよ
晴れ間を見てから衣装を着るのでは 願いは叶わない…スイハはきっと そう思っているのだろう
【スイハ】 …………
ねえ、スイハ? 雲を射ることはできないか? …と、マスターは提案する
【スイハ】 えっ…?
曇天と戦う… 他の誰かには無理かもしれないが きっとスイハになら、できる
【スイハ】 ………… (曇天と戦う…わたくしの矢で!? で、でも…)
なにかの声が聞こえた気がした… マスターは、だいじょうぶだ、と スイハに向かってうなずく
【スイハ】 …試してみます マスター…どうか勇気をください
ああ… 雲の向こうの月を狙うつもりで 一矢を放ってみてほしい
【スイハ】 はい… あの雲の向こうの…月を… そして晴れ間を、この手で…!
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