413020110 ロストラグナロク編サイド 未分類 ロストラグナロク サイドストーリー ロストラグナロク-戒律の斬ル姫- ストーリークエスト 2 - -戒律の斬ル姫- 第1話 サイドストーリー1_EP1 戒律の斬ル姫 第1話
【???】 さぁ、新しき息吹を 吹き込まれし娘たちよ
【???】 ガブリエル…アズラエル… サリエル…ウリエル…
【???】 目覚めの時間です―
するりと布の擦れる音がした 大理石の床に四つの影が伸びて 声の主のもとで対峙する
【???】 ファントムであった者たちよ 今、口にした天使の白羽を 貴方たちに与えた
【ミカエル】 貴方たちを… 大天使ミカエルの名をもって このハルモニアへ迎え入れよう
それぞれが膝をつき小さく返事をした はい、と四つの声が響いた
【ミカエル】 イミテーション以外で 初めて天使の白羽を受け入れし 異端の存在たちよ
【ミカエル】 私は問おう―
【ミカエル】 我が民となりし今、 いわずとも既に使命は その身に宿っているであろうか?
【ウリエル】 使命は“ラグナロク”の実現のため
【ウリエル】 ハルモニアの栄光のため 私達はその切っ先となりましょう
【ウリエル】 そのためなら この身を削ることも辞しません
【サリエル】 ええ、我らは聖なる鎖で繋がれし仲間 いかなる困難もこの結束で乗り越え 必ずや成就いたします
【ウリエル】 聖なる鎖で繋がれし仲間…
【ウリエル】 これが仲間…
【ウリエル】 感じるだけで温かい…
【ミカエル】 貴方たちはこれより セイントキラーズの名を冠し 私の直属の配下となりなさい
【ミカエル】 最後に我が国の戒律を授けましょう
【ミカエル】 一,国を愛し、繁栄を誓いなさい
【ミカエル】 二,友を愛し、友のために戦いなさい
【ミカエル】 三,友が背徳に染まる時、 その友を再生しなさい
遠くから鐘の音が鳴り響く 四人は頭を上げ、 ゆっくりとその場を後にした
刻は過ぎ…
【ハルモニア兵】 うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!
【ケイオスリオン兵】 くっ、効かぬぞ! このおっ!
【ハルモニア兵】 ミカエル様の加護のもと、 ここから先には通すわけには 行かぬのだっ!
【ケイオスリオン兵】 ぐあぁぁぁぁぁぁっ!
混沌の時代には闘争はつきもの ハルモニアの領内では、 二つの国の勢力がぶつかり合っていた
互いの国、 そして崇める対象を罵り合う戦は 混乱を極め…
陣形など構わぬ 両者乱れての戦闘と化していた
【ハルモニア兵】 はぁはぁ…や、やったぞ…!
【???】 気を抜かないで! 今すぐ後退し、即座に体勢を低く!
【ハルモニア兵】 え?
【ケイオスリオン兵】 ぐあぁぁぁぁぁぁっ!
瞬間、空気が変わった それは戦場に吹いた一陣の風のように そこに降臨していた
【ハルモニア兵】 あ、あなた様は…!?
【フォルカス】 大天使ミカエル様を信じない 愚かな異国の脅威よ あなた達が土に還るときが来た
【フォルカス】 セイントキラーズの名の下に この神の炎…
【フォルカス】 フォルカス・聖鎖・ウリエルが あなた達に審判を下す
色めきだつハルモニアの兵 周囲は歓喜の渦と化す
だがそれを割ったのは 歓喜の中心、フォルカスの声だった
【フォルカス】 安堵を浮かべるのはまだ早い! 陣形を整えよ!
【フォルカス】 さぁ、行きます 大天使様のご意思の下に!
【ハルモニア兵たち】 おおおおおおおぉぉぉーーーーーー!
混乱と化していた戦場は 秩序を取り戻したハルモニア兵により 均衡が崩れ始めていた
【ケイオスリオン兵】 まずい、まずいぞ…
【ケイオスリオン兵】 ええい、なにを狼狽えているのだ こちらも、奥の手を投入するのだ!
【ケイオスリオン兵】 ほら早くするのだ!
【???】 うがあああぁぁ!
【ハルモニア兵】 ぐふっ!
【ハルモニア兵】 ぐああぁぁっ!
【フォルカス】 フッ… 奥の手がどんなものかと思えば もう相対するは何度目か…
【フォルカス】 またあなたですか、 地獄の皇帝ベルゼブブ!
【シユウ】 うりえる、またあったな! これはもうくされえんってやつだな!
【フォルカス】 腐れ縁… 確かにそうかもしれません
【フォルカス】 幾度と刃を交えし あなたの斧の重み すっかりと馴染みました
【シユウ】 あはは、そうか… けど、それもこんかいで おしまいにしてやってもいいんだぞ!
【フォルカス】 ふっ、面白いことを… どの口がそんなことを?
【シユウ】 このマーラーカオをくったくちだ!
しばし二人はお互いを 確認するかのように見つめ合った
鳴り響いていた 剣の交錯する音は止み 全ての目線が二人に注がれていた
やがて― どこかで地を踏む音が響いた瞬間―
【フォルカス】 行きます… “ラグナロク”の実現のため 立ちはだかるものはこの私が叩き切る
【シユウ】 てんしにはむりだ!
【シユウ】 “らぐなろく”のえいこうを てにするのはけいおすりおんと きまっているからな!
二人は一気に間合いを詰め 互いの武具が交錯した
【フォルカス】 はあぁぁぁぁぁぁっ!
それはこの世のどの色よりも赤き炎―
舞うはウリエルの白き翼―
構えられしは銀に輝く鋭き槍―
天空まで舞い上がりし神の炎は 高き目線で焦がすべき対象を捉え…
一気に下降する!
【シユウ】 ぐうぅぅぅぅぅぅっ!
【フォルカス】 く、やはり一撃で 仕留めるのは無理ですか
【シユウ】 ぐぬぬ… てがひりひりするぞ こんどはこっちのばんだからな!
【シユウ】 あいかわらず すばやいやつだ なかなかあたらないぞ!
【フォルカス】 くう、乱雑だというのに 何度受けても読めない刃筋…
二人の動きが膠着する いつまでもそれが続くと思われた瞬間
【ケイオスリオン兵】 目的はすでに達した! シユウ、退却だ! ケイオスリオンまで引くぞ!
【シユウ】 うぬぬぬぬ…
【シユウ】 くっ、いのちびろいしたな また、あおうな!
【シユウ】 つぎはにくをくって ちからをつけてからきてやるからな!
【ハルモニア兵】 敵戦力の完全撤退を確認しました 追いますか?
【ハルモニア兵】 戦力と地はこちらに味方しています このタイミングであれば…
【フォルカス】 行かせておきなさい 敵はベルゼブブ…
【フォルカス】 見た目はああであっても 実力は確か… 無駄な血が流れます
【フォルカス】 それよりも負傷した者の手当を
【ハルモニア兵】 はい、ただちに!
フォルカスは指示を出しながら、 戦場を見渡した
息絶えた者、 負傷し、屍のようにうずくまる者、 戦後に何度も見た光景がそこにはあった
【フォルカス】 また、多数の 貴重な血が流れてしまった…
【フォルカス】 それで敵の目的はやはり?
【ハルモニア兵】 はい。我が国に流入を試みている イミテーションの捕獲を企てたものと 思われます
戦場を後にし、 隊列を組みながら、 フォルカス達は首都への帰路についた
隊列の後方には ケイオスリオン兵が侵攻していた イミテーションのいる“擬人区”があった
【ハルモニア兵】 今回の戦闘の間に 連れ去られたイミテーションは 約1000名だそうです
フォルカスはその難民たちの姿を 眺めながら口にする
【フォルカス】 彷徨えるイミテーションよ ミカエル様のお導きがあらんことを
Next: 413020121