414021011 ロストラグナロク編サイド 未分類 ロストラグナロク サイドストーリー ロストラグナロク-業果の斬ル姫- ストーリークエスト 2 - -業果の斬ル姫- 第1話 -業果の斬ル姫- 第1話 業果の斬ル姫 第1話 戦闘前
【アスカロン】
───過去の自分が羨ましい
【アスカロン】
『あなたたちでは
嫉妬のレヴィアタンが渦巻く私に
傷一つ付けられませんよ』
【アスカロン】
そう言い放てた過去の私を
今は心底羨ましがっている私…
アスカロンは敗けたのだ
暴虐と闘争の国で 何度目の敗北か
勝利が全ての この国で
【？？？】 チェスじゃあ 取られた駒は 二度と使えない…
【？？？】 …というワケでもないって 知ってる？
目の前の少女が こんな戦場の真ん中で 何を言っているのか
敗北したアスカロンを拘束する 屈強な兵士達 彼らがなぜその少女に従うのか
【アスカロン】
………ぜんぜん
意味がわかりません
見当もつかなかった
【？？？】 私の駒に、なりなさい
見当も、つかなかったのだ
【フェイルノート】 私の名前はフェイルノート
【フェイルノート】 必中の弓、らしいわ
【アスカロン】
その矢は必ず当たるという
【アスカロン】
例に漏れず
私は射抜かれたのだろう
【実況者】 ケイオスリオンの新たな王は誰か！？
【実況者】 全悪魔人の皆々様 長らくお待たせ致しました！
【実況者】 “ケイオスリオン国王選抜総武会” まもなく開催です！
悪魔国全域に けたたましく響き渡る 魔界放送
【実況者】 悪魔国が王 ルシファー様が仰せになりました！
【実況者】 『ルシファーを討った者 新たな王とし その望みを叶える』
【実況者】 数年に一度、そのルシファー様の 一声によって開催されるのが “ケイオスリオン国王選抜総武会”！
【実況者】 なんという寛大さ！ なんという豪胆さ！ なんという暴虐武人さ！
【実況者】 おっとォ！ 誤字ではございません！ 暴虐の王にして、力にて国を統べる 武人の悪魔王、それがルシファー様！
【実況者】 今年こそ、その気まぐれで 混沌とした王の野心を 砕く者は現れるのかーァッ！？
【アスカロン】
アスカロン・D. plug・レヴィアタン
は砕けません
【アスカロン】
嫉妬を司るレヴィアタンの強堅な氷に
すべてお任せを
アスカロンは戦場の中心で その剣を突き立てた
総武会の開会が迫っていた
真昼の太陽の元、全国民が互いを牽制 大陸中の戦場で 開始の合図を待つ
【実況者】 おさらいしておきましょうかッ！
【実況者】 総武会の参加は集団単位！ 国内各地方の諸勢力・諸領主達が 入り乱れ、争います！
【実況者】 王都で行われる総武会本戦 そのトーナメント戦出場枠が たったの４枠、たったの４枠！！
【実況者】 本戦を勝ち抜いた陣営が 王であるルシファーに挑む その権利を得ます！
【実況者】 開会の号令と同時に その枠への勝ち残りを賭けて 国中の諸陣営は進軍を開始！
【実況者】 混沌としたサバイバル戦！ 戦い、叩き潰し、奪い合う！ ルールなどあってないようなもの！
【実況者】 つまり決着は───
【アスカロン】
───つまり決着は
その闘争心が尽きるまで
その闘争の混沌に飲まれるのは 斬ル姫も例外なく
【アスカロン側兵Ａ】 おい、おいおい…！ 周りにいる全陣営が 俺達を狙っていないか…！？
【アスカロン側兵Ｂ】 斬ル姫を抱えているんだ… 当然だろう
【アスカロン側兵Ｃ】 だから考え直せと言っただろう！ 標的にされることは 目に見えていると！
【アスカロン側兵Ｂ】 斬ル姫の戦闘力無しに 勝ち残ることは出来まい
【アスカロン側兵Ｃ】 いや、しかし…
他国では王の側に配されるはずの姫達 彼女らはルシファーによって いつしか国内に放たれてしまった
それもまた争いの大きな火種 斬ル姫を利用する者、崇拝し従う者 共に戦う者、危険視し敵対する者…
そうしてよほどのことが無い限り 総武会本戦の枠に勝ち残るのは 毎回その斬ル姫を有した陣営となる
斬ル姫を持たぬ他の勢力も 一縷の望みをかけ毎大会挑戦するが やはり斬ル姫を破ることはない
しかしこの国の民は 闘争をやめはしないのだ
【アスカロン】
あなたたちでは
嫉妬のレヴィアタンが渦巻く私に
傷一つ付けられません！
言い争いを続ける味方兵を背に アスカロンは彼女らを取り囲む 敵陣営を見据える
【アスカロン】
…負けるわけには
いかない
【実況者】 闘争こそ善！ 勝利こそ栄誉！ 敗れて永らえるは生き恥晒し！
【アスカロン】
…私は王になる
アスカロンは地平線の先を 遠い目で見やる
この国土のどこかで アスカロンを含め４人の斬ル姫が その座を狙っている
大悪魔の力を与えられたのは四姫 闘い続ける業を背負わされた “カルマキラーズ”
【実況者】 シユウ・D. plug・ベルゼブブ パラシュ・D. plug・アスタロス アフロディーテ・D. plug・アスモデウス
【実況者】 以上の斬ル姫を有する陣営は いずれも歴代大会で 勝ち抜き経験がある強者！
【実況者】 今大会ではどの陣営が ルシファー様への挑戦権を得るか 期待しましょう！
かしましくも残酷な声
そう アスカロンには、ないのだ
勝利の経験が
彼女は剣の柄を ぎゅっと握りしめ つぶやく
【アスカロン】
………羨ましい…っ！
しかし、華々しい勝利を得て 幾度挑んだところで誰も ルシファーには敵わなかった
勝者の望みを叶えた者は いまだにいない
アスカロンは剣を地より引き抜き 敵陣に向け、構える
開会の号令が響く アスカロン達に向かい 一斉に悪魔達が走る
【アスカロン側兵Ａ】 …じ、地獄だ… 地獄の大会だ………！
迫り来る人の大波に アスカロンは声を上げる 自らを、兵を鼓舞するがごとく
【アスカロン】
いきましょうっ！
【アスカロン】
ここが地獄の大海ならば！
宿すは海軍大提督！
【アスカロン】
逆巻く波すら氷に変えて
ねじれ渦巻く嫉妬の巨刃！
【アスカロン】
沈むのならば道連れに！
王への道の礎となれ！
渦巻く人波に アスカロンは飛び込んだ
【アスカロン】
最後の大会だ
【アスカロン】
───私の望みはただひとつ
【アスカロン】
“ジャイアント・キリング”
【アスカロン】
『巨人殺し』を
成し遂げる
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