414021013 ロストラグナロク編サイド 未分類 ロストラグナロク サイドストーリー ロストラグナロク-業果の斬ル姫- ストーリークエスト 2 - -業果の斬ル姫- 第1話 -業果の斬ル姫- 第1話 業果の斬ル姫 第1話 戦闘後
もはやアスカロンに敵はいなかった。
敵の身の丈が彼女の頭二つ分ほど 上回る大男であろうと その刃は止まらない
【アスカロン】 そこっ!
アスカロンを前にしては どんな武器も防具も意味をなさず 鍛えた体躯も壁にすらならない
小さな四肢から繰り出される怪力は 巨人のごとく
あとに残るは ノックアウトされた敵兵と あまたの氷柱
その中心で 彼女は剣を振り抜いた
【アスカロン】 はぁ…はぁ…はぁ… 敵影は見た所 ありませんね…!
集まっていた全陣営を敵にまわし 味方兵は残り僅か さすがの彼女にも疲労の色が見える
【アスカロン】 敵陣の中に斬ル姫はいなかった…
【アスカロン】 なのにこんなに消費させられるなんて 敵兵達の動きも全員が 統率されていたように見えた…
【アスカロン】 …どこかに 統率者がいる…?
アスカロンは剣を握る力を緩めず 辺りを見回す
【アスカロン】 …
【フェイルノート】 こっちよ
【アスカロン】 !?
どこからか、声がした
その刹那、一本の矢が 声の主を探したアスカロンの右目に 命中する
【アスカロン】 クゥッ!?
非力な矢 カルマキラーズの 攻撃でないことはわかった
キラープリンセスの頑強さであれば 一本の矢が当たった程度で 失明とまではいかない
しかし、視力が回復するまでは しばらくかかる
アスカロンは完全に 不意を突かれた形となった
気づけば日差しに照らされた 氷柱が融け出し 水蒸気が辺りを霧のように覆っている
無数に立ち並ぶ氷柱と相まって 視界が塞がれる
【アスカロン側兵A】 うっ、ウワアアァァッ!? ふ、伏兵!?
【アスカロン側兵C】 こんなに、いつの間に!?
その影に伏していた敵兵の刃が 突如繰り出され 味方陣営は混乱状態に陥った
【フェイルノート】 せっかく 単眼にしてあげようと思ったのに
錯乱状態の戦場を横目に 氷柱をぺたぺたと触りながら 少女が顔を出す
【フェイルノート】 イノシシみたいな斬ル姫を 罠に陥れるなんてカンタン
【フェイルノート】 さあ、貴方も 私の手駒に加えてあげる
知的な口調と 無邪気な笑顔がミスマッチする 小さな統率者
【アスカロン】 これも、これまでも… あなたの仕掛けた策ですか…!
アスカロンはひとり 射られた右目を抑えつつ 少女を睨みつける
少女は無数の兵に守られながら 傲然たる風格で アスカロンを見下す
【フェイルノート】 動き過ぎよ。クイーン?
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