415023013 ロストラグナロク編サイド 未分類 ロストラグナロク サイドストーリー ロストラグナロク -王道往くは悪魔で姫- ストーリークエスト 2 - -王道往くは悪魔で姫- 第1話 -王道往くは悪魔で姫- 第1話 -王道往くは悪魔で姫- 第1話 戦闘後
【アフロディーテ】 ───愛がないわ
時は遡り 数日前
“ケイオスリオン国王選抜総武会” 本戦トーナメント2回戦
アフロディーテ陣営と パラシュ陣営との闘い
パラシュは敗けた
【アフロディーテ】 あなたの勝ちで 良くってよ
パラシュはアフロディーテへ 何一つ決定打を与えられぬまま、敗北
しかしアフロディーテは その勝利を放棄し 結果パラシュが勝ち上がることとなる
【パラシュ】 き、君は………ッ! いつもそうやって…!
ボロボロの体を 起こしながらパラシュは アフロディーテを睨む
【アフロディーテ】 文句は勝ってから 言ってくださる?
【パラシュ】 …ッ!!
賭けの対象ともなっている 勝負の行方を見守っていた観客からは 落胆の声
見下すアフロディーテの視線
屈辱にまみれた勝利を 拾ってしまうパラシュ
【アフロディーテ】 愛を語るには あなた 足りな過ぎる
アフロディーテは言い捨てる
【パラシュ】 足りない…!? 力が…!?知識が…!?
【アフロディーテ】 妥協しているじゃない?
【アフロディーテ】 愛に
時は現在に戻り ケイオスリオン王城の最奥
そこには…
【ルシファー】 久しぶりではないか パラシュ
悪魔王ルシファーの姿
【パラシュ】 ………ご無沙汰しています
【パラシュ】 ───師匠
【ルシファー】 そう仰いでいるのは 貴様のみよ
【ルシファー】 しかしもはや その縁も切ったはず
過去 ルシファーはパラシュにとって 闘いの師であった
【ルシファー】 次に会う時は 闘争の中で そう言ったはずだ
【パラシュ】 …であれば なぜボクをここへ通したのです
【ルシファー】 警護は立てておいたが
【パラシュ】 あんなもの
【ルシファー】 …闘争や暴虐は是である
【ルシファー】 反目者はむしろ歓迎だ いつでも相手となろう
【ルシファー】 総武会最中であっても その意志、その力があればな
【ルシファー】 だが、師弟の縁を断った者と 長々話しているほど暇ではない
【ルシファー】 先のアフロディーテとの闘いなど 目も当てられぬ
【パラシュ】 弁解も、弁明もありません ただ、ボク自身の力不足…
【パラシュ】 だからこそ、ボクは………っ
ルシファーはパラシュの弁を 遮り、語る
【ルシファー】 ハルモニアが堕ちた
【パラシュ】 …!?
【ルシファー】 大天使ミカエルが 配下セイントキラーズによって 討ち果たされた
【パラシュ】 厳格な戒律が敷かれていた セイントキラーズが… なぜ…!?
【パラシュ】 それに、相手は創造主 勝てるような相手では…!
【ルシファー】 どのような小細工を使ったのかは 知らぬが、問題はそこではない
【ルシファー】 結果として ミカエルの力を宿した斬ル姫が 誕生してしまったのだ
【パラシュ】 …!
【ルシファー】 天使国ハルモニア 幻獣国トレイセーマ 我が悪魔国ケイオスリオン
【ルシファー】 拮抗していた3国の勢力図は 今まさに崩れようとしている
【ルシファー】 かの意志と繋がった管理者が失われ 抜き身の武器である斬ル姫のみが 増えてしまったのだ
【パラシュ】 かの、意志…? 師匠、何を言って………?
【ルシファー】 5人目の斬ル姫にして 国主の莫大なる力を宿した存在は…
【ルシファー】 ………必ずや、目に留まってしまう
【パラシュ】 目に留まる…? 誰の…?
ルシファーは パラシュの問いに答えることなく 深く腰掛け、深く息を吐き出す
【ルシファー】 今後、総武会などという遊戯を 続けることは困難となろう
【パラシュ】 …
【ルシファー】 ついに、この時が来るまで 我を退ける者はいなかった
【ルシファー】 理想は遠かった 強き者が溢れる世界 暴虐が治める世界
【ルシファー】 我を超える強者の存在が いるものか、どうか 長々と眺めていたが…
【ルシファー】 手札を混ぜ 遊ばせるも もはやこれまで
落胆とも諦めとも取れる言葉を 吐き出すルシファー
【ルシファー】 ………まァ、それも一興
しかし、すぐに ニヤリと口端を歪める
【ルシファー】 この暴虐、この暴力 天使や獣どもに妨げられては堪らん
【ルシファー】 これより先は このルシファーが進もう
【ルシファー】 我より強き者など 待ち望んだ我こそ莫迦者であった
ルシファーの失望の視線 それは国中に そしてパラシュにもかけられていた
【パラシュ】 ………まだ、ボクがいます
【ルシファー】 …ほう?
【パラシュ】 総武会優勝者は あなたから望みを叶えてもらえる そういう話だったはずです
【パラシュ】 ボクの望みは あなたと同じ
【パラシュ】 強者が溢れる国 堅牢で明確な力を示せる世界
【ルシファー】 我の望みと、同じ…?
【パラシュ】 ───なぜ、ボクを捨てたのですか
【ルシファー】 なに?
【パラシュ】 シユウを重用するなど…!
【ルシファー】 何の話か?
ルシファーは にやにやとはぐらかす
【パラシュ】 ハルモニアへの イミテーション狩りを指示し
【パラシュ】 それらを 総武会でのシユウ陣営の兵力に…
【ルシファー】 ああ
【ルシファー】 シユウの純粋な力 アレを味わってみたかった それだけよ
【パラシュ】 ぼ、ボクなら、もっと、もっと…!
【ルシファー】 貴様の望みとは、なんだ?
【パラシュ】 え、ですから…
【ルシファー】 我と同じ望みを持つ者など 要らぬ
【パラシュ】 …!?
【ルシファー】 貴様の理想は、そうではなかろう
ルシファーは重い腰を上げる
【パラシュ】 し、師匠…ッ!?
【ルシファー】 貴様に、そう呼ぶ資格はない
ルシファーが一歩踏み出すと 膨大な魔力の奔流が パラシュの肌を粟立てる
【ルシファー】 教えでも乞いに来たと見えるが…
【ルシファー】 わかっているはずだ
【ルシファー】 言いたいことは 闘争で語れと
【ルシファー】 そして、弱者は処断されるのみ
【パラシュ】 うあああぁッ!?
ルシファーに叩きのめされるパラシュ
【ルシファー】 もうよい さがれ
【パラシュ】 師匠…!
【ルシファー】 飽いたわ
【パラシュ】 ま、待ってください、ボクは…!
【パラシュ】 ボクはまだ、あなたから 教えの全てを得ていない…! ボクは、まだ………ッ!!
【ルシファー】 いずれ王の座を譲る強者となれば 孤高で、理想に対して 良くも悪くも実直であった貴様に…
【ルシファー】 目をかけていた頃もあった
【パラシュ】 …!
【ルシファー】 だが今はどうだ
【ルシファー】 貴様は闘い方を覚えていくにつれ 勝利する為の条件からは 遠ざかっていってしまった
【ルシファー】 このままでは誰に勝つことも出来ず 理想にたどり着くことなど不可能
【ルシファー】 貴様の 怠慢よ
ルシファーは 再び王座に腰を掛ける
【パラシュ】 怠慢…!?
ケイオスリオン兵に引きずられながら パラシュは必死に言葉を投げる
【パラシュ】 ボクがいつ怠けていたと…!?
【パラシュ】 ボクはいつだって! 一分一秒も無駄にすることなく 闘いへの準備だって怠ったことなど
【ルシファー】 異論・反論を受け付ける気はない
【パラシュ】 師匠!!
【ルシファー】 弁明も弁解も必要ない
【ルシファー】 彼を知り 己を知れば 百戦危うからず
【ルシファー】 闘いの常道すら 貴様は見失っている
【ルシファー】 ───期待、はずれよ
Next: 415023021