50291203 アルベル 『チューンナップ』
【アルベル】 いやよ
アルベルが依頼を断るのに 理由はないのか
【アルベル】 めんどくさいもの
あれから数日、 アルベルの元には 姫からの相談が尽きない
武器や機械については勿論 彼女の綺麗な髪の毛に憧れ 手入れの方法を尋ねる者も
もはや彼女のつれない態度を 鵜呑みにする姫たちではない
【アルベル】 ひとりひとりお願いされても… めんどくさい、でしょ
【アルベル】 だから… い、いっぺんに来なさいよ
【アルベル】 でも、やるやらないは 私が決める、から…
照れ隠しの素振りに いっそう姫たちは夢中になり 彼女へ殺到する
隊に溶け込み始めたアルベルを 嬉しそうに眺めるマスター
【アルベル】 あなたも…っ にやにやしてないで助けてよ…!
【アルベル】 や、ちょっと、髪触るの、やめ… もぉぉっ…!
姫たちの溺愛に さすがに耐えかねたアルベルは 人波をかきわけ出て行ってしまう
ただ もう焦る必要もない
この世界に来た時に見た景色 それに似た光景
アルベルはここを ロボたちとの憩いの場にしていた
【アルベル】 いっつも 追ってきてくれるのね
小型飛行ロボをまとわせて 朽ち果てた教会に入ってくるマスター
選択肢:
- 迷惑かな? → select_label_01へ
- また迷子になるつもり? → select_label_02へ
- いっつも、俊足だよね → select_label_03へ
小型飛行ロボをまとわせて 朽ち果てた教会に入ってくるマスター
select_label_01:
【アルベル】 そ、そんなこと、ない…けど
select_label_02:
【アルベル】 ま、迷子って言うな…!
select_label_03:
【アルベル】 …実は、靴に仕掛けがあるの
select_label_end:
【アルベル】 それより、お礼を言ってなかった 切り出すタイミングもなかったし
【アルベル】 ありがと…
【アルベル】 取りもってくれてたんだ 私と、キル姫たちとのこと
みんなが、アルベルの不安を 感じてのこと マスターだけの力ではない
【アルベル】 …ふふ
【アルベル】 他の姫たちが あなたについていく理由が 少し、わかる気がする
アルベルは マスターに背を向けたまま ボロボロの十字架を見上げる
【アルベル】 …元の世界に帰るまでだから
【アルベル】 それまで、だから
振り返り マスターを見つめるアルベルの瞳
【アルベル】 知らない世界で 知らない人たちがいて…
【アルベル】 それでも私を 必要としてくれる
【アルベル】 …それがわかったから
この世界に迷い込んで初めて しっかりと外の世界に 視野を拡げたアルベル
迷子が、帰るべき場所を もうひとつ見つけた
それと共に新スキル 『チューンナップ』 がもたらされる
それは恐らく マスターだけでなく 姫たちのための力となるだろう
【アルベル】 …………
でも、彼女の言葉は 肝心な所が やっぱり聞こえない
マスク、たまには外してみない? と、それとなくマスターが問う
【アルベル】 …………
【アルベル】 いやよ
アルベルが依頼を断るのに 理由はないのか
【アルベル】 やるやらないは 私が決めるの
【アルベル】 私が好きでついてくの みんなに
【アルベル】 私が好きでつけてるの マスクは
【アルベル】 そういうことだから
【アルベル】 ………… めんどくさい女だって 思ったわね?
マスターはアルベルを 真っ直ぐ見つめ いたずらっぽく頷いた
好きでついてきてくれるんだ、 と
Next: 50301201