510013212 マサムネ・擬彩 触れ合うも美し
数日後――
【マサムネ】 ………
【マサムネ】 …!
【マサムネ】 ……主君
森の中、 一人佇むマサムネの元を マスターが訪れた
この前は、なぜあんなことをしたの? 優しい笑顔で彼女に尋ねる
【マサムネ】 ………
【マサムネ】 魂の色を見ようと… 試したのだ
【マサムネ】 彼女たちが、 真に強き魂を持つ者の目か、 見定めたかったのだ
【マサムネ】 以前、主君にも 話したことがあったな
【マサムネ】 強き心を持つ者とは、 己の意志を持ち、 それを証明する強さを持つ者だと
【マサムネ】 ゆえに、拙者のような 一人で鍛え上げた鋼の意志こそ、
【マサムネ】 真に強きものだと 皆に証明したかったのだ
その言葉を受け、マスターは言う 僕には君の魂こそ、 濁っているように見えるけど
【マサムネ】 !!
【マサムネ】 拙者の魂が…… 濁っている…?
君は何か迷っているんじゃない? まるで、強いことが正しいと 自分に言い聞かせてるみたいだ
マスターの言葉に 驚くマサムネ
【マサムネ】 なぜ…それを……
心の中を見透かされたのは、 初めてだった
隊に来てから、なぜ皆と 打ち解けようとしなかったの? 尋ねるマスター
【マサムネ】 それは……
【マサムネ】 拙者はその昔… ある姫に忠義を誓った
【マサムネ】 その主従が解かれたとはいえ…
【マサムネ】 そなたに… かつては敵であった者に従うことは、 拙者にとっては不忠に値する…
その“姫”に対する後ろめたさから、 一人で強くなろうとしてたんだね? と、マスター
【マサムネ】 まさか、 その“濁り”を 見抜かれるとはな…
マスターは彼女に忠告する
周りを拒絶し、己の身を磨き、 削っていくだけでは… いずれ折れてしまうよ?と
【マサムネ】 ………
【マサムネ】 ならば拙者は… 一体、どうすればいいのだ……
その姿は、 質実剛健とはかけ離れた、 悩めるか弱き少女だった
数日後――
【マサムネ】 …!
突如、飛来した矢が マサムネの頬を掠めた
【マサムネ】 何奴!?
そこには、敵の大軍が 今にもマサムネに襲い掛かろうと 待ち構えていた
【マサムネ】 ……
敵の持つ武器に目をやり、 彼女が叫ぶ
【マサムネ】 ただ武器を持つだけの者を 武士とは呼べぬ… その力、拙者に示してみよ!!
剣を抜き、 大軍に斬り込んでいくマサムネ
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