510014213 マサムネ 黒き執行官の憤然
【マサムネ】 いざっ!
マサムネは今日も、 戦場に駆けて行く
【マサムネ】 主君!命(めい)を!!
そしてマスターの指示に従い、 次々に敵を撃ち抜いていく
【マサムネ】 主君の夢の手助けをする…… これこそが、キル姫である拙者の 喜びです…!
【マサムネ】 キル姫である拙者の……!
そんな、ある日――
隣同士に座り、 彼女はマスターに想いを伝えていた
【マサムネ】 拙者…… 胸に誓ったことがございます
【マサムネ】 これからも…… 主君のために戦ってゆく
【マサムネ】 拙者を普通のキル姫に戻してくれた 主君のため……この命を賭して
【マサムネ】 ずっと…ずっと
そう語る彼女に、マスターは応える いつも、助けてくれてありがとう と
【マサムネ】 礼には及びませぬ 主君を助けることが、 キル姫の務めですから
でも、助けてもらって ばかりじゃ悪いから と、彼女に包みを渡すマスター
【マサムネ】 これは……?
【マサムネ】 ……な、なんと!
開けると、 中から出てきたのは 新品の黒の手袋だった
【マサムネ】 なぜ、拙者に……
マスターは言う 感謝のしるし
君は努力家だから、銃の鍛錬と 日々の戦闘で、今使っているのは すっかりくたびれてるでしょ、と
【マサムネ】 で、ですが……
【マサムネ】 拙者に、 これを受け取る資格は あるのでしょうか…
どうして? マスターが尋ねる
【マサムネ】 キル姫として戦えることは 我が誇り
【マサムネ】 だが、拙者は……
【マサムネ】 武器
【マサムネ】 一振りの刀から、 一丁の銃になった 武器にすぎませぬ
【マサムネ】 このように 優しくして頂く資格は……
彼女の言葉を遮り、マスターが返す 僕はそうは思わない
【マサムネ】 …!
もう武器としての業を 背負う必要は無い
誰かを裁く罪の意識を 感じる必要は無いんだ
【マサムネ】 ……主君
もう一度言う 君は武器なんかじゃない 心の在る…一人の女の子だ
【マサムネ】 !!
【マサムネ】 ……かたじけない
彼女の目から、 一筋の涙がこぼれた
【マサムネ】 キル姫として戦えること… その幸せを感じながらも…… ずっと胸に秘めていました
【マサムネ】 どこまで行っても… 拙者は武器でしかないと
マスターからの贈り物を 強く抱き締め、彼女は呟く
【マサムネ】 主君!拙者を……いや、私を! 一振りの刀ではなく、 一人の女性として接していただき……
【マサムネ】 感謝しております…!
キル姫から一人の女性へ…… 新たな幸せを噛み締める マサムネだった
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