510024211 レーヴァテイン・擬彩 感謝の贈り物
おめでと~!
姫達の明るい声が聞こえてくる
【レーヴァテイン】 ふふ、お誕生日、おめでとう
【レーヴァテイン】 早かったようでもあり、 長かったようでもあり…
【レーヴァテイン】 マスターの隊が出来て、 まさかこんなにも 月日が流れるなんてね
【レーヴァテイン】 なんか、感慨深いものがあるわ
今日はマスターの隊が発足した日
姫達はこの日を隊の誕生日と定め、 『お誕生会』と称して、 祝いの宴を催していた
【レーヴァテイン】 それにしても……
【レーヴァテイン】 お祝いだからって、 こんな素敵なドレス、 本当にいいの?
遠慮がちに言う彼女に、 マスターは答える
一番の功労者は君だって 隊のみんなで決めたんだ
ささやかながら、 僕とみんなからの その感謝の気持ちだよ、と
【レーヴァテイン】 ………そっか
マスターの想いに、 微笑むレーヴァテイン
【レーヴァテイン】 でも……
【レーヴァテイン】 これはなんなの…?
仮面を目元に当ててみせる彼女 ま、それはドレスのオプションて ことで、と悪戯っぽく笑うマスター
ドレスも仮面も、よく似合ってる! と、姫達は褒めてくれるが…
【レーヴァテイン】 どうも…
そっけない態度ながらも、 みんなの厚意に内心は とても嬉しいレーヴァテイン
【レーヴァテイン】 ………ふふふ
宴を楽しむマスターや、 姫達を見つめる彼女
【レーヴァテイン】 もしかしたら今が、 最高に幸せな時間かも…
【レーヴァテイン】 ………
――と、 みんなの前から去る レーヴァテイン
どうしたの? 尋ねるマスター
【レーヴァテイン】 うん、少し疲れたから寝るわ マスター達は、 このまま楽しんで
立ち去る背中を マスターは見つめていた
【レーヴァテイン】 …………
気になり、彼女の後を つけてきたマスター すると……
【レーヴァテイン】 う……うぅぅ……
彼女は泣いていた
【レーヴァテイン】 …! マ、マスター
慌てて、涙を拭うレーヴァテイン
なにかあった…? 心配そうにマスターが尋ねる
【レーヴァテイン】 ………うん、あったよ 嬉しいことが
【レーヴァテイン】 お誕生会……
【レーヴァテイン】 こんな普通の… まるで人間の女の子のような 幸せを体験できるなんて…
【レーヴァテイン】 マスターの隊に来て それなりに時間が経つけど…
【レーヴァテイン】 思ったの
【レーヴァテイン】 みんなとは、 時にはケンカもするけど、
【レーヴァテイン】 一緒に笑ったり、 お祝いしたり、 これって、まるで……
【レーヴァテイン】 本物の家族のようだって
【レーヴァテイン】 家族って…… あったかいんだね
【レーヴァテイン】 そう思ったら…… ついね
彼女は家族の温かみが嬉しくて、 涙を流してしまったのだ
【レーヴァテイン】 でも、大丈夫……!
【レーヴァテイン】 明日から、 また気持ちを切り替えて 戦うよ
【レーヴァテイン】 私は……キル姫だから
笑顔で宣言する彼女に、 今日までありがとう…と マスターは告げる
【レーヴァテイン】 …え?今日までって… どういうこと?
真剣な表情で答えるマスター
考えていたんだ…… 君は今日までずっと、 僕に付き従ってくれた
君は誰よりも戦い、 誰よりも傷ついてきた
ドレスの下には… 幾多の戦いで受けた細かい傷が 無数に刻まれている
【レーヴァテイン】 ………
だから、そんな君に… そろそろ普通の幸せを プレゼントしたいと思ってた
【レーヴァテイン】 それって……
彼女の目を見据え、マスターは言う 今日を境に、君は隊を抜けて 普通の女の子のような生活を送るんだ
【レーヴァテイン】 っ…!?
【レーヴァテイン】 で、でも、私はキル姫だよ 戦うことを運命づけられた存在… こんなこと、許されるわけがない
これは僕だけの考えじゃない 隊の姫達の総意でもある そのドレスは……
普通の女の子になる証…… そのつもりで送ったんだ 真剣な眼差しのマスター
【レーヴァテイン】 ………
【レーヴァテイン】 私が……
【レーヴァテイン】 隊を抜ける……?
マスターの言葉に、 衝撃を受けるレーヴァテインだった
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