510143212 ティルフィング・擬彩 混ざり合う世界
あの一件以来、 ティルフィングは 隊に顔を見せなくなった
彼女を探すマスター
そして数日後、 やっとの思いで見つけ出す
彼女は、 コスモスの咲く 花畑にいた
【ティルフィング】 ………
探したよ と彼女に声を掛ける
【ティルフィング】 …マスター
どうして、いなくなっちゃったの? 彼女に尋ねる
【ティルフィング】 私は…あなたに 剣を向けたのですよ?
でも、寸前で止めてくれたでしょ? 笑顔で答えるマスターに、 ティルフィングは溜息まじりに言う
【ティルフィング】 本当にあなたは…変わった人ですね
戻ってきてくれないかな? お願いするマスターに、 ティルフィングが語り始める
【ティルフィング】 …私の心は、今……
【ティルフィング】 強風に吹き付けられる 草のように… 揺れ動いています
【ティルフィング】 数日前…恐怖に駆られ、 マスターを守れなかった姫を、 粛正すべきでした…
【ティルフィング】 それが例え、 マスターの命を奪うことに なったとしても…
【ティルフィング】 でも実際は… 見逃してしまいました
【ティルフィング】 私の心の中で… あなたを手に掛けたくないと 思ってしまったばっかりに
【ティルフィング】 ……驚きました
【ティルフィング】 あなたは… あの姫だけじゃなく、 私も救いたいと言ってくれました
【ティルフィング】 あなたの命を奪おうとする私を 救いたいと……
【ティルフィング】 心の闇から…救いたいと…
【ティルフィング】 純潔な世界を目指す私自身の心が 揺れてしまうなんて… とうに覚悟は出来ていたはずなのに…
と悔いているティルフィング
そこまで思いつめることはないよ、 とマスターは言うが、 ティルフィングは頑なに首を横に振る
【ティルフィング】 それでは、これまでの剪定により、 消えていった命に申し訳が立ちません
【ティルフィング】 全ては世界を救うため… そう思って己の心を殺し、 突き進んできました
【ティルフィング】 でも…初めて、 立ち止まってしまった…
【ティルフィング】 消すべき命を…見逃してしまった
マスターは言う そもそも、彼女を罰しようと しなくても良かったんじゃ…?
彼女に、悪の気持ちは 無かったわけだから、と
だが、ティルフィングは反論する
【ティルフィング】 小さな恐怖心が積み重なり、 悪しき感情を呼び起こすことも あります
【ティルフィング】 一度芽吹いた悪しき感情は 徐々に大きく育っていきます
【ティルフィング】 悪しき心が咲き乱れた時、 世界は終焉の色に染まるでしょう…
【ティルフィング】 それを摘むことは救済か、 それとも破壊か…
【ティルフィング】 ずっと…思い悩んでいたのです
マスターは答える 無闇に摘もうとするのは… 僕は破壊だと思う
一度の失敗くらいで切り捨てられる そんな悲しい世界にしたくないんだ、 と
【ティルフィング】 …ですが
【ティルフィング】 理想だけでは、 純潔な世界は作れない!
【ティルフィング】 誰かがやらなければ、 理想の実現は…!!
悲し気な目で反論するティルフィング
だったら… マスターが何かを言い掛けた時…
【ティルフィング】 …!
コスモス畑に敵が出現した
【ティルフィング】 …この場所を 穢すことは許しません
剣を取り出し、彼女が構えた
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