510143213 ティルフィング・擬彩 彩果てに咲く秋桜
【ティルフィング】 はぁっ!!
懸命に戦うティルフィング
だが敵の数の多さと、 マスターを庇いながらの戦闘のため、 疲労が色濃い
【ティルフィング】 はぁ…はぁ…!
そして……
【ティルフィング】 …あっ! しまっ……!!
彼女の隙を突いて、 敵の攻撃がマスターに 振り下ろされた
【ティルフィング】 マスター!!
――――が!
【ティルフィング】 !! …あなたは
それを救ったのは、 いつかのあの姫だった
当時は新入りで、 足がすくんでしまった彼女
だが、自らを見つめ直し、心を鍛えて マスターを守れる勇気と力を 身に着けていたのだ
【ティルフィング】 ……私が、 間違っていたようですね
そう言う彼女に、 マスターは声を掛ける
君が描く理想の世界、 それを実行しようとする覚悟
そのため、自分が悪になってでも 遂行しようという決意… そのどれもが素晴らしい
でも自分が悪になってもいいという 決意の裏には、悲しさが宿っている
だったら…その悲しさごと、 僕が一緒に背負ってあげるよ、と
【ティルフィング】 !!
と言いつつ、僕は完全どころか 不完全な人間だけどね、と 苦笑するマスター
【ティルフィング】 悲しみは… ずっと一人で抱えていくものだと 思っていました
【ティルフィング】 でも、あなたは… 共に背負ってくれると…
【ティルフィング】 そんなあなたと この先も一緒に 進んでいきたい…
その想いの変化が、 彼女に新たなる力を与える
そして見事、 敵を殲滅するのだった
【ティルフィング】 また少し… 完全なる世界の完成に 近づきました
戦闘後――
コスモス畑にて、 マスターと語らう彼女
【ティルフィング】 あなたに出会って… 少し変わりました
【ティルフィング】 今までは理想のため、 純潔な者のみを世界に残そうと していました
【ティルフィング】 でも…
【ティルフィング】 純潔な者以外を排除し、 無駄を無くす調和ではなく…
【ティルフィング】 あらゆるものの存在を認める調和が、 大切なのかも知れない…
【ティルフィング】 そう思うようになりました
【ティルフィング】 さっきの彼女を見て、思ったのです
【ティルフィング】 完全じゃないものにも、 希望はある
【ティルフィング】 そう、『成長』という名の希望が
【ティルフィング】 一度の失敗で切り捨てる そんな世の中はあなたの言った通り、 やっぱり悲しい…
【ティルフィング】 失敗した者、 過ちを犯した者を許し、 受け入れる
【ティルフィング】 そんな心の大きさ、強さこそが、 新世界には必要なのですね
【ティルフィング】 いつか… そんな優しい世界が 来てほしい
マスターの目を見つめ、 彼女が問い掛ける
【ティルフィング】 ねぇ、マスター コスモスの花言葉を知っていますか?
【ティルフィング】 『調和』
【ティルフィング】 色んな人の 色んな思いが認められる 世界こそが
【ティルフィング】 調和の取れた 完全なる世界なのかも
彼女が優しく微笑むと、 穏やかな風が吹いた
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