510143214 ティルフィング・擬彩 華葬『色褪せぬ純潔』
あれから数日後――
花畑で一人、佇むティルフィング
なにをしてたの? やってきたマスターが尋ねた
【ティルフィング】 前もそうでしたね
え?なにが…? とマスター
【ティルフィング】 あなたはいつも、 私を迎えに来てくれる
【ティルフィング】 その優しさ… とても嬉しいです
【ティルフィング】 そんなあなたと 触れ合うようになって…
【ティルフィング】 私も… 誰かに優しくしようと 思うようになりました
【ティルフィング】 あれ以来… 無闇な剪定はもうやめました
【ティルフィング】 そうしたら… 隊の姫たちと、 また新たな繋がりが生まれました
【ティルフィング】 優しく接すれば、 相手もまた返してくれる
【ティルフィング】 これもまた…理想の世界です
それは素晴らしいことだね、 と答えるマスター
…が、彼女は言う
【ティルフィング】 だからといって、 誰もが他者に優しくいられる わけではありません
【ティルフィング】 私が目指すのは悪も闘争もない、 純潔な心で調和された世界の創造
【ティルフィング】 『純潔な心』… その捉え方が変わっただけです
【ティルフィング】 だから、 隊の誰かが道を逸れたら、 正します
【ティルフィング】 それでも相手が変わらなければ… 粛正するしかない… それは変わりません
【ティルフィング】 その相手がマスター… 例えあなたであったとしても、 同じことです
マスターは、彼女に返す もしも僕が道を逸れたら… その時は君に任せるよ、と
【ティルフィング】 ……ふふ
【ティルフィング】 そう素直に言えるあなたの心は、 とても美しいです
【ティルフィング】 今回のことで、己の心の弱さと、 マスターの平和への決意を知ることが できました
【ティルフィング】 そして純潔な心で 調和された世界には、 繋がりも必要だと学びました
【ティルフィング】 それを教えてくれたあなたを… もう少しだけ傍で見ていたい
【ティルフィング】 願わくば、 このままずっと 同じ道を進んでいきたい
マスターの顔を見ながら、 そう思うティルフィング
浮かべた微笑みは、 温かい優しさに包まれていた
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