510231211 アスカロン・D. plug・レヴィアタン 嫉妬の暴走
マスターの隊に、 また新たな姫が入った
【アスカロン】
はぁ…羨ましい……
『嫉妬を司る悪魔レヴィアタン』を ドミネイトされた姫、 アスカロンだ
ドミネイトされた悪魔の力は顕著で…
【アスカロン】
あぁ、料理上手なんて羨しいです
料理当番になれば、 料理上手な姫に嫉妬し…
【アスカロン】
あぁ、掃除が得意だなんて
羨ましいです
掃除当番になれば、 掃除が得意な姫に嫉妬し…
【アスカロン】
あぁ、盛り上げ上手なんて
羨ましいです
みんなでご飯を食べれば、 盛り上げキャラの姫に嫉妬する日々
【アスカロン】
はぁ…でも一番羨ましいのは…
―――戦場
【アスカロン】
みなさん、大活躍で
なんて羨ましい…
敵を倒していく姫達に 羨望の眼差しを向ける彼女
【アスカロン】
それに比べて私は…
彼女が異常なほどに 他人を羨ましく思うのは、 悪魔レヴィアタンだけではなく…
【アスカロン】
ダメ！
収まって！
嫉妬を司る『大罪の獣』、 ドラゴンの影響があったのだ
【アスカロン】
言うことを…聞いて…！
暴走するドラゴン
その巨大な力を抑えられず、 振り回されるアスカロン
【アスカロン】
きゃあっ！
その背中から落とされ…
【アスカロン】
ぐっ！
地面に落下！ 目の前には……
【アスカロン】
あぁ…
敵の大群が取り囲んでいる
【アスカロン】
そ、そんな…
振り下ろされる凶刃
【アスカロン】
きゃあっ！！
だが、 その危機を救ったのは 隊の姫達だった
【アスカロン】
す、すみません、みなさん…
彼女達の活躍により、 なんとか危機を乗り越えた アスカロンだった
【アスカロン】
あ、あの…
ありがとうございました…
頭を下げて回るアスカロン
本当にありがとう 怪我人が出なかったのは みんなのおかげだよ
姫達を褒めて回るマスター
【アスカロン】
……
その姿を見ていた彼女は、 ふと呟くのだった
【アスカロン】
あぁ……
…私って……
最低だ……
そして―――
【アスカロン】
………
膝を抱え、一人佇むアスカロン
【アスカロン】
………はぁぁぁ
大きな溜息 なにやら深く落ち込んでいる様子だ
【アスカロン】
…あっ！
そんな彼女に声を掛けるマスター
【アスカロン】
あの…さっきはすみませんでした…
【アスカロン】
私のせいで…
みなさんの足を
引っ張ってしまって…
そう謝る彼女に、 マスターは尋ねる
落ち込んでいた理由はそれだけ？と
【アスカロン】
…！
【アスカロン】
ど、どうしてですか…？
あの時、みんなや僕を見る目が 少し寂しい感じがしたから …と答えるマスター
【アスカロン】
………
そう言われた彼女は、 己の気持ちを正直に話し始めた
【アスカロン】
嫉妬の氷が…
私の心を突き動かすんです
【アスカロン】
仲間なのに…
思ってしまったんです
【アスカロン】
マスターに褒められるなんて…
羨ましい…って
【アスカロン】
助けてくれた仲間にまで
嫉妬するなんて…
私……最低です
【アスカロン】
そんな自分が…
本当に嫌になって
しまいました…
ドラゴンに目をやるアスカロン
彼女の心など知らぬと 言わんばかりに、 ドラゴンは悠々と眠りに就いている
【アスカロン】
………
【アスカロン】
あなたなんか…
【アスカロン】
いなければいいのに……
そう言い放った彼女の目は、 悔しさと悲しみに満ちていた
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