510384211 アルマス 新人の奏官
戦いの合間の、ある一幕
マスターはその日を休養日として キル姫達に休息を取るようにと 指示を出していた
マスター自身も街で休息して 過ごすつもりだったのだが、 なんとなくキル姫達のことが気になる
ちゃんと休めているのだろうか…と ついつい街へ向かったキル姫達を 探すようにあちこち見回っていると…
【???】 あら、あなた 奏官…マスターでしょ
声をかけられて思わず 「そうですが…」 と、丁寧に返すマスター
【???】 ふふ、そうだと思った 私の勘、なかなかでしょ
【アルマス】 私の名前はアルマス あなたと同じ、マスターよ
ふふん、と胸を張る アルマスと名乗った少女
マスターは自分以外の 奏官との交流が新鮮で 物珍しそうに彼女を見てしまう
【アルマス】 さては、あなた新人ね 他のマスターが珍しいんでしょ?
【アルマス】 最初はなにかと不安よね わかるわ 私もそうだったもの
【アルマス】 それで、 さっきからキョロキョロしてるけど 何か困ったことがあるのね
【アルマス】 手伝えることがあれば 手を貸すわよ 先輩として、ね
いや、困っているわけでは… と、マスターは言いかける
【アルマス】 あ、わかった!
【アルマス】 キル姫達とはぐれちゃったから 探し回ってるんでしょ!
アルマスの勢いに つい頷いてしまうマスター
【アルマス】 ふふ、やっぱりね 私も最初はキル姫達の 行動が読めなかったのよ
【アルマス】 慣れないうちは こういう時、不安になるわよね…
【アルマス】 よし、それなら あなたがキル姫達に会えるよう 探すのを手伝ってあげるわ!
【アルマス】 キル姫達だけでなく、 新人マスターを導くのも 先輩マスターの務めだからね!
どうやら彼女は 自分を新人だと勘違いしている と気付くマスター
【アルマス】 …どうしたの? あ、遠慮してるのかしら そんなの気にしなくていいのよ
【アルマス】 誰だって通る道なんだから ほらほら、行くわよ!
マスターの手を引くアルマス
多少強引ではあるが 彼女に手を引かれる感覚に 何か懐かしいものを感じるマスター
勘違いを指摘する機会は 見失ってしまったが…
【アルマス】 ふふっ 絶・任せなさい! すぐに見つけてみせるわ
アルマスの笑顔に導かれ マスターは彼女と行動を共にする
ほどなく、マスターは 休日を過ごすキル姫達を 見つけることができた
せっかくの休暇を邪魔しないよう マスターは遠くから 見守るだけに留めた
【アルマス】 …はぐれていたわけじゃなくて 彼女達がどう過ごしているのか 見て回っていたのね
【アルマス】 ごめんなさい ちょっと早とちり しちゃったみたい…
【アルマス】 けど、あなたがキル姫と しっかり向き合う人なんだって ちゃんとわかったわ
【アルマス】 今の気持ち、 絶・忘れちゃダメだからね
【アルマス】 それに、キル姫達のことを 知っておくのは大事なことよ
【アルマス】 どういう性格で何を好むか それを知っているだけで スムーズに動ける場面もある
【アルマス】 新人なのに 実践できているんだから 大したものよ
というのはもちろん マスターも経験として 知っていることだったが…
他のマスターの口から 同じ考えを聞けた興奮から マスターは熱心に頷いてみせる
【アルマス】 ふふ… 良い顔してるわね!
【アルマス】 ねえ、もっとマスターとして 知っておきたいことがあるなら ついていらっしゃい
【アルマス】 私が教えてあげるわ!
Next: 510384212