510481213 忍野 忍 馬鹿げた不死身
翌日、
僕はその日、 普通にぼんやりと、 太陽の光で目が覚めた
携帯電話で日付を 確認してみると、 八月二十一日の月曜日、
即ち二学期開始、 始業式の当日である
【阿良々木】 帰ってこられたってことか?
【阿良々木】 あっちの世界のほうは、 どうなったかな 無事にみんな、生き返ってたら……
【阿良々木】 つーか人間に 戻ってたらいいんだけれど
【忍】 さすがに全員とはいかんじゃろうな 怪異化する以前に、 暴動に巻き込まれて死んだ者も
【忍】 少なからずおったじゃろうし―― 何より、儂が暴走する前に 死んでしまった
【忍】 お前様は生き返らんよ
【阿良々木】 ま、それは仕方ねえよ
【忍】 ん?
【阿良々木】 死ぬときは 一緒って決めてたからな
【阿良々木】 一緒というには二ヵ月ほど タイムラグがあったけれど、 お前と共に死ねて、
【阿良々木】 あのルートの阿良々木くんも、 本望だったろうぜ
【忍】 無論――儂もの
忍は言った
拗ねたような 言い方だったけれど、
それこそが素直な 物言いなのだろう
【阿良々木】 ちょっと待てよ、 今、何時だ!
再び携帯電話を取り出す僕 よく見たら電池が切れる 寸前だった
最後の力を振り絞って、 彼は僕に現在時刻を教えて くれようとしていた――
【阿良々木】 ……やべえ 始業式始まっちまってるわ
【阿良々木】 どうしよう
【阿良々木】 羽川や戦場ヶ原に怒られる 殺される 亡き者にされる
【忍】 そうされんように、 精々気をつけることじゃな、 お前様
【忍】 ――お前様が死んだら、 儂は世界を滅ぼしかねんと いうことがわかったわけじゃし
【忍】 精々、これから先は 戦い方を考えることじゃな
――と、さっき僕がした決意に 念を押すようなことを言って、 忍は僕の影の中にもぐり込んだ
――これから本格的に 眠るつもりなのだろう
【阿良々木】 やれやれ……まさしく、 真夏の夜の夢って感じだな
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