510522211 アズサ あっちの世界とこっちの世界
マスターの隊へ 新たに加わったアズサ
彼女は元の世界では 高原の魔女と呼ばれる 高名な存在らしい
こちらの世界に来て まだ日が浅い彼女のために マスターは街を案内する
【アズサ】
すっごーい！
同じファンタジー世界でも
所変われば様子も変わるね
街の風景に目を輝かせるアズサ そんな彼女にマスターは この街の名物である料理を渡す
【アズサ】
うわ…なんだか懐かしい匂い
丸々としてて、外はカリッと
中はトロっと…
【アズサ】
た、たこ焼きだ！
アズサは熱々の料理を頬張り ながら、うっすらと涙を流す
【アズサ】
ちょっと違うけど…
ソースの味が美味しい～！
【アズサ】
しっかりタコも入ってる！
いや、でもなんか違うかな？
まるで知っているような 口ぶりのアズサに違和感を 覚えるマスター
だが深く追求することはせず、 この街の商店街を案内する
【アズサ】
ほうほう…これはまた
【アズサ】
どこにでもあるもんだねえ
こういうお土産用のTシャツ
【アズサ】
あ、こっちじゃTシャツとか
そういう呼び方じゃないんだ…
どうもアズサは元いた 世界との共通点を感じているらしい
アズサの反応が気になった マスターは思いきって彼女に 尋ねてみることにした
【アズサ】
あー…えっとね
私が死んで転生する前…
【アズサ】
私の故郷の世界って
言えばいいのかな？
【アズサ】
地球の日本って
場所に住んでたんだよ
もしかして知ってる？
マスターはさすがに 知らない、と答えた
【アズサ】
そっか…でもどことなく
共通してるところがあるんだよね
この世界
【アズサ】
姫にも特別な文字の
名前の娘がいるよね？
漢字って言うんだけど…
【アズサ】
それに、日本刀とか…
【アズサ】
もしかして、太古の昔に
この世界に転生してきた
日本人とかがいたのかな…
顎に手を当て、 思案するアズサ
彼女の語る日本なる場所に 興味を持ったマスターは、 より深く聞いてみることにした
【アズサ】
地球だとね、
姫達と同じ名前の武器とかも
聞いたことがあるよ
【アズサ】
もっとも向こうじゃ
伝説っていうか
神話の存在なんだけどね
【アズサ】
そっか…考えようによっては、
マスターさんって神話の武器の力を
姫達から借りてるのか…
【アズサ】
いいなぁ～そういう世界！
私も若い頃憧れてたよ～！
アズサはマスターに対し、 羨望の眼差しを向ける
【アズサ】
ねえねえ、私も姫達の
マスターになれるかな？
【アズサ】
そもそもどうやったら
マスターってなれるの？
それからアズサに請われ、 マスターになった経緯や 心構えを語る
マスターの語りに、 アズサは食い入るように 耳を傾けていた
【アズサ】
…凄いなぁ
まるで映画を見た気分
【アズサ】
いやいや、お世辞じゃないよ
私には無理そうだもん
【アズサ】
やっぱり私は平穏な
毎日が一番だなぁ～
幸せそうに料理を頬張るアズサ
そんな彼女を見ているうち、 彼女の世界がどんな物だったか 気になるマスターであった
Next: 510522212