510522212 アズサ バカの一つ覚えみたいに!
【魔獣】 グオオオ~!?
【アズサ】 っと、こんなもんかな?
ある日のこと 突然魔獣に襲われた マスターの隊
しかしアズサはたった一撃で その魔獣を退けてしまった
【アズサ】 ん?どうかした?
【アズサ】 あ~、大丈夫大丈夫 ケガとかしてないから
【アズサ】 いやホント、レベルMAXが こっちの世界でも通用して 良かったよ~
いつも気楽にのほほんと しているアズサがこれ程の 力を持っているとは…
もしかすると、アズサの 世界は争いの絶えない 過酷な世界なのではないか?
そう考えたマスターだったが…
【アズサ】 いや、全然 そんなことないよ
【アズサ】 魔族とは仲がいいし、 モンスターも凶暴なのは 殆どいないからねー
【アズサ】 私の世界は平和そのものだよ
【アズサ】 え? どうしてこんなに 強いのかって?
【アズサ】 あはは…それが300年間 スライムを毎日狩ってたらね 気付いたらレベルMAXで
さらりと答えるアズサに マスターは驚愕した
300年…? そんな途方もない時間を?
【アズサ】 飽きたり嫌になったり しなかったのかって?
【アズサ】 いやー別にねえ 普通のことじゃない?
【アズサ】 朝歯を磨いて、 顔を洗うようなもの って言うか…
【アズサ】 別に強くなろうとか、 目標があった訳じゃないよ
【アズサ】 ただ毎日楽しく過ごすために そう思ってただけなんだけどね
【アズサ】 でもそのお陰で 家族とも出会えたし、 楽しくやれてるから
【アズサ】 強くなることも悪いこと ばかりじゃないよね
そう言って 朗らかに笑うアズサ
実際アズサの周りにいる ライカやハルカラも いつも楽しそうだ
自分も彼女のように 周りの姫達を楽しく させることは出来ないか
ふとマスターは そう思い立った
【アズサ】 おっ、マスターさんも スローライフの 楽しさに気付いちゃった?
【アズサ】 …そうだ! 私の故郷の世界の遊びとか お料理とかなんていいかも!
【アズサ】 こっちの世界とも 相性が良さそうだし!
それはいいアイディアだ と考えたマスター
【アズサ】 コインを使った手品も、 クレープ作りも…こっちに 合せてアレンジしなきゃだね
【アズサ】 よし、それじゃあ見ててね!
さっそくアズサの故郷の 遊びや料理を学ぶことに するのだが…
【アズサ】 うんうん、 初めてにしては上出来だよ!
アズサは励ましてくれるが… 彼女のお手本とは似ても似つかない
どうも文化や手法が違う 世界の物を取り入れることは 思った以上に難しいようだ
これはもっと頑張らなくては…
【アズサ】 …ダメだよマスターさん
【アズサ】 その頑張ろうって 考えが良くないね
必死に練習を続けようとする マスターに対しアズサは 珍しく真剣な表情で語る
【アズサ】 こういうのは、 まず自分が楽しまなくちゃダメ!
【アズサ】 それに、大切なのは気持ちだよ 下手でもいいんだよ みんな楽しく!ね!
笑顔で語るアズサに 背中を押されたマスター
さっそく姫達を呼んで 手品と料理を振る舞うことに するのだった…
【アズサ】 お疲れマスターさん! いい感じだったよ~
マスターとしては、 もっと上手くやれれば 良かったと思ったが…
それでも姫達は 大喜びで賞賛してくれた
【アズサ】 うんうん、みんな楽しく! マスターさんも楽しかったでしょ?
実際手品や料理をしている 時間は楽しかったと感じた マスター
出来ればこれからも、 自分も姫も楽しく 過ごせる日々を作りたい
【アズサ】 その気持ちが大切だよ! もっと自分とみんなを 好きになっていかなくちゃ!
アズサの笑顔に頷くマスター 小さな一歩でも大きな力になる
マスターとの信頼がアズサに 『バカの一つ覚えみたいに!』 という新たな力として宿る
【アズサ】 マスターさんが好きなこと、 私も応援するからね。 いつでも頼りにしてよ!
気負った様子もなく 自然体でそう言うアズサの姿に マスターは自然と力が抜けた
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