520001211 イージス・冥令・ヘル 想定外のことばかり
【イージス】
隊長、
今回の任務についてなのだが――
マスターを隊長と呼ぶのは 隊に入ったばかりのキル姫、イージス
巨大な盾を持ったイージスは 責任感も強く、頼れるキル姫だ
【イージス】
…隊長、聞いているか？
ごめんごめん と返すマスター
【イージス】
まったく…
貴様がしっかりせねば
隊だって立ち行かなくなるんだぞ
イージスは隊というものに対する 思い入れが非常に強いようだ
【イージス】
やはりここは私が隊を率いて…
いや、ひとまずこの話は
任務が終わってからにしよう
【イージス】
フンッ、この程度か
魔獣の攻撃を防いだイージスは 周りのキル姫に指示を飛ばす
【イージス】
このまま私が防ぎつつ前進する！
貴様らは後ろから
機をうかがうんだ！
マスターの作戦とは違う指示に キル姫達は困惑している様子
【イージス】
ぼさっとするな！
行くぞ！
お構いなしに進んでしまうイージス マスターは彼女に付いていくよう 姫達に指示を出す
【イージス】
…………
無事任務を終えた一行だが マスターは休息を取る姫達の輪に イージスがいないことに気付く
【イージス】
壁ドンしちゃった訳でもないし…
今回は胸を揉んでもいないし…
イージスを心配して探しにきた マスターは、物陰で何かを呟く イージスを見つける
【イージス】
ああもう！
戦闘で先走っちゃった時に
カバーをお願いするにはどうすれば…
【イージス】
地上のことはちゃんと
勉強してきたっていうのに
なんでいつも想定外のことばかり…
普段と様子の違うイージスに 彼女は無理をしているのではないか と考えるマスター
【イージス】
はっ！？
そこにいるのは誰だ！
【イージス】
たた、たたたた、隊長！
な、にゃんでここに！？
驚かせてしまったね と謝るマスター
【イージス】
ふ、フン、このくらいのことで
謝る必要なんてないだろう
【イージス】
隊長という立場の者が
そう簡単に頭を下げてばかりでは
舐められてしまうではないか
いつものように始まる イージスのお説教
だが、それは彼女が無理をしている 証でもあるのだと考えたマスターは 息抜きをしようと提案するが…
【イージス】
息抜きだと！？
とっ、突然何を言い出すかと思えば…
下らないことを言うんじゃない！
【イージス】
旅をともにする男女が
息抜きだと言って二人きりで
隊を抜け出し行動することは…
【イージス】
仲間達には内緒で絆を深め
最後には…
って、何を言わせるのよ！
【イージス】
本に書いてあった通りだとすれば
そんなの…そんなの、たるんでる！
顔を真っ赤にしたイージスから 想像以上の勢いで却下されたことに 驚くマスター
一体、どんな本を 読んだのだろうと 気になったが、
イージスの性格を考えて、 任務ということにすれば 誘えるのでは、と考えるマスター
【イージス】
な、何？任務？
それならそうと早く言え！
【イージス】
街へ行くのだな、わかった
支度してすぐにでも出発だ！
任務だと言い換えた途端 行動の早いイージスに驚きつつ マスターも支度をするのだった
もうすぐ街が見えてくる頃だが…
【イージス】
フッ、そう簡単には行かないか
任務とは常に
危険を孕んでいるからな
Next: 520001212