520001212 イージス・冥令・ヘル 隊長という器
【イージス】 それで? 街に到着したのだが 今回の任務はどういった内容なんだ?
イージスを連れ出すために 任務だということにしていたが 内容を考えていなかったマスター
【イージス】 イージスの名にかけて どんな任務だろうと 華麗にこなして見せよう
【イージス】 私という目標があれば貴様も 隊長の器の何たるかがわかるだろう
【イージス】 さぁ、任務内容を言ってみろ!
胸を張るイージスに 恐る恐る、ひとまず休憩する? と尋ねるマスター
【イージス】 いきなり休憩だと? たるんでる!…と言いたい ところだが、戦闘もあったしな
【イージス】 休息を取ることは大事だ…えっ!?
【イージス】 ちょ、ちょっと待って! ええと、5分…いや、1分! そ、そこで待機!
【イージス】 こんな街中で休憩って いやでも隊長に限ってそんな…
【イージス】 いやいや、あの時もらった本だと まずはお茶するとこから って書いてあったし…
何やら慌てふためいているイージス マスターはそれに気づかず 見つけた店に入ろうと促す
【イージス】 あ、あああ、ああ、えっと、うん そこの店にするのね、うん わ、私も覚悟を決めよう
始めはそわそわしていたイージス 落ち着いてきたところでマスターは 隊に入ってからどうかな、と尋ねた
【イージス】 隊員にしっかり話を聞くのは 隊長としての務めだと貴様も その程度はわかっているようだな
【イージス】 率直に言わせてもらえば 隊長、貴様は頼りない
【イージス】 自主性を重んじると言えば 聞こえはいいが、キル姫それぞれに 判断を委ね、任せているだけに過ぎん
【イージス】 そんなことでは 隊という群を導く存在にはなれん ほかにもだな…
イージスの忌憚なき意見に 完膚なきまでに叩きのめされた マスターだった
【イージス】 まぁ、そう落ち込む必要はない 誰にも得意不得意はある
【イージス】 いつでも自分が代わりに隊長として 貴様ごと隊を引っ張っていってやる だから安心するがいい
【イージス】 今のセリフ、完璧に決まった!
【イージス】 さぁ、休憩は終わりだ そろそろ任務に戻らねばならん
【イージス】 …とは言ったものの あの、その、私は地上に疎くてな どこへ行けばいいのだ…?
誰にでも得意不得意はあるもんね と、イージスを微笑ましく思う マスター
【イージス】 わ、笑うんじゃない! ここは貴様に任せると 言っているだけだ!
【イージス】 な、なによその顔はっ…! 微笑ましそうに笑わないでよ! 私は任せるって言ってるだけで…
【イージス】 こ、コホン! …で、そもそもどんな任務なんだ? 目的を聞いていなかったが…
そういえば まだ思いついていなかった とマスター
【イージス】 …思いついていない?
訝しむイージスに そうだ、買い出しが必要なんだ と苦し紛れに答えるマスター
【イージス】 物資の補給か? それならばあそこに商店が あるようだが…
商店を指し怪訝そうにするイージス 何故ならば店には商品が ほとんどなかったからだ
【イージス】 やっぱり変よね? お店って品物がいっぱいあって 恋人達が買い物するって本に…
イージスの偏った知識は ひとまず置いておいて 店の主人に話を聞くマスター
【イージス】 何、物資の到着が 随分と遅れている、だと?
【イージス】 街へ訪れる前に魔獣と戦ったが もしや…それが原因ではないか?
イージスの想像に 自分も同意だ、とマスター
【イージス】 隊長もそう思うか よし、では我々が対処しよう
【イージス】 必要な物資を手に入れるための 行動であればそれも任務の一環だ
困ってる人を助けたいしね とマスター
【イージス】 フッ、そうだな 行くぞ、隊長!
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