520001213 イージス・冥令・ヘル 虚に刻む神の矜持
【イージス】 良い働きだったぞ、隊長
魔獣との戦闘後 イージスに突然褒められて 驚くマスター
【イージス】 いつもの頼りない雰囲気とは違い 私への指示も的確だった
それは輸送の人達が 魔獣に襲われていたから 必死だった、とマスター
【イージス】 理由はなんであれ 実戦で動けるのであれば それは立派に貴様の手柄だ
【イージス】 いつもああであれば た、隊長としても頼りがいが あると思ったりしちゃったり…
【イージス】 すごく安心して戦えたっていうか こんなのはじめて…
【イージス】 隊員を褒めるのは 隊長としての務めだからな き、貴様もこんな風に褒めるんだぞ
【イージス】 この調子で励めば 普段の甘ったれた性格も いずれ直るだろう!
【イージス】 …どうした、反応が薄いぞ?
【イージス】 え、あれ、私言いすぎちゃった!? こんな時のための台本は…
ごそごそと盾をまさぐるイージスに マスターはポツリと自分は隊長 として失格ではないかと漏らす
【イージス】 そ、そこまで言ってる訳じゃなくて 待って、今、こんな時のための セリフが…えっと、その
【イージス】 あ、そうだ! こういう時は話を聞くのよ 話を聞くのが隊長の務めだもん
【イージス】 …コホン、ええと、そういう訳だ 何か悩みがあるなら相談してみろ
マスターは目下の悩みである 隊にいる姫について話す
【イージス】 何々、その姫は責任感が強く 頼もしいのだが、だからこそ 無理をさせているのかもしれん、と?
【イージス】 責任感が強いのであれば それは無理をしているのではなく 彼女自身が望んでいることかもしれん
【イージス】 …ふむ、そうかもしれないが 演技をしているようにも見える、か そう聞くと一概には言えんか…
【イージス】 何?そのほかにも 息抜きに誘ったが失敗してるのか はは、その話は隊長らしいな
【イージス】 だが、話を整理すると 隊長はその姫のことを よく理解しているのではないか?
【イージス】 理解しているのであれば あとはそれをちゃんと伝えるべきだ きっと伝わるはずだ
【イージス】 話をするのが大事だと言っただろう だが、それでも話しづらいという ならば、私が伝えてやってもいいぞ
【イージス】 そのキル姫とは誰のことなんだ?
答えを促すイージスに 言いづらそうにイージスのことだ と伝えるマスター
【イージス】 …………
【イージス】 えっ、私!?
【イージス】 待って待って! 無理してるとか演技してるとか そんなんじゃないけど!?
【イージス】 えっと、あの、こんな時の台本は… こんな状況に対応する台本なんて 用意してないわよ!
【イージス】 そうだ、今回の任務で参考に なってるロジェスティラから貰った あの本に…も書いてない!
慌てるイージスを見て 一緒に考えよう、と言うマスター
【イージス】 …え?
想定外のことはこれからも たくさん起こるだろう、とマスター
そんな時、一緒に考えて 前へ進んでいける関係を築けたら いいな、と続けるマスター
【イージス】 一緒に、考えて… そんなの…いいのかな?
それが、自分が隊長として できることだと思う と話すマスター
【イージス】 …時間かかっちゃうかも しれないのに、大丈夫なの?
それでも、一緒に出せた 答えが大事だと思う と、イージスへ考えを伝えるマスター
【イージス】 そんな、不器用な… でも、たしかにあなたらしい考えね
【イージス】 それも、隊長という器の ひとつの答えなのかもしれないわね…
改めてマスターを隊長として認めた イージスに力が宿る、それは 『虚に刻む神の矜持』
【イージス】 ハッ! き、貴様を隊長として認める それだけの話だからな
【イージス】 けど…ありがとう これはどの台本にもない けれど、私の気持ちを表した言葉よ
こちらこそ、ありがとう とマスター
魔獣も倒したし そろそろ街へ戻ろうか と、マスターは促す
【イージス】 わかったわ…じゃなくて! わかった、街へ戻るとしよう
【イージス】 助けた人達も街に着くころだし 店にも商品が到着するだろう…って!
【イージス】 隊長の話が私のことだってことは 街へ戻るのは息抜きの続き… それって、で、ででで、デー…
さぁ、行こう とイージスに声をかけるマスター
【イージス】 ひゃぁっ!? ひゃ、ひゃい、えっと こういう時の台本は…きゃあっ!
転んでしまったイージスに 手を差し伸べるマスター
【イージス】 あ、あわわわ、その、ありがとう…
こんな時どうすればいいだろうね と早速イージスと話し合おうとする マスター
【イージス】 し、知らないわよ! だから…教えてよね、隊長!
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